藤井正弘の血統トピック

“G1連覇の血脈”ダリアが咲く

[ 2013年11月6日 06:00 ]

 エリザベス女王杯では過去にメジロドーベル(98、99年)、アドマイヤグルーヴ(03、04年)、スノーフェアリー(10年、11年)の3頭が連覇を達成している。現在、13レースが行われているJRAの非世代限定G1のうち、連覇に限らず「2勝馬」が最も多いのは5頭を数えるマイルチャンピオンシップ。エリザベス女王杯の3頭は、4頭の有馬記念に次ぎ、天皇賞・春と横並びとなるが、出走条件の上で優勝馬の再エントリーが可能になったのは96年からなので、ペースとしては同じ96年以降にタイキシャトル(97、98年)、デュランダル(03、04年)、ダイワメジャー(06、07年)がV2を果たしたマイルチャンピオンシップに匹敵する。本年未勝利で再びマークが緩んできた感じだが、昨年の覇者レインボーダリアには敬意を払っておく必要があるだろう。

 ちなみに前年の優勝馬では他に97年のダンスパートナー、06年のスイープトウショウ、07年のフサイチパンドラが2着、05年に3連覇に挑んだアドマイヤグルーヴは3着で、09年7着のリトルアマポーラが唯一の着外となっている。母馬としての価値を考慮すれば、すでにG1タイトルを得た牝馬が現役を続ける以上、そこには相応の成算があるということ。引き際を誤ったケースは極めて少ないのである。レインボーダリアの場合も恐らく、繁殖入りを先送りした時点から、このレースを目標に周到なスケジュールが組まれていたものと思われる。

 母の父ノーザンテーストは冒頭のメジロドーベルの3代父にしてアドマイヤグルーヴの祖母の父。さらには前記デュランダル、ダイワメジャーに加え、スプリンターズSのサクラバクシンオーの母の父でもあるという“G1連覇”のプロデューサー的血脈だ。去る4月、28歳で没した父ブライアンズタイムの連続年度重賞勝利記録は、札幌2歳Sのマイネグレヴィル(2着)、秋華賞のリラコサージュ(3着)と、惜しいところで足踏みが続いたが、昨年同様、起死回生の一撃で「21年連続」の国内新記録樹立があるかもしれない。(サラブレッド血統センター)

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