藤井正弘の血統トピック

種牡馬王者配合の新型VS旧型

[ 2013年10月9日 06:00 ]

 今週の秋華賞では恐らく、トライアルのローズSを制したデニムアンドルビーがかなりの人気を集めることになる。 

 デニムアンドルビーは父がディープインパクトで母の父がキングカメハメハ。父は昨年の、母の父は一昨年のチャンピオンサイヤーであり、今年の種牡馬リーディングも3位以下を大きく離した両馬のマッチレースとなっている。オークスの当コラムでも書いた通り、現時点で望み得る最先端の配合と言っていいだろう。

 ちなみにグレード制が導入された84年以降の牡牝の3冠勝ち馬(旧エリザベス女王杯を含む)で、父も母の父も日本のチャンピオンサイヤーだったのは96年のオークス馬エアグルーヴ(父トニービン、母の父ノーザンテースト)、99年のダービー馬アドマイヤベガ(父サンデーサイレンス、母の父トニービン)、04年の皐月賞馬ダイワメジャー(父サンデーサイレンス、母の父ノーザンテースト)、05年の秋華賞馬エアメサイア(同)、07年に桜花賞、秋華賞の2冠を制したダイワスカーレット(父アグネスタキオン、母の父ノーザンテースト)、08年の皐月賞馬キャプテントゥーレ(父アグネスタキオン、母の父トニービン)の6頭。意外に少ない気もするが、21世紀の怪物フランケルは父ガリレオ、母の父デインヒルという“英愛チャンピオンサイヤー配合”によって生み出された。サラブレッドの生産に際して、構成血脈の上で交配が可能ならば、チャンピオンサイヤーの血を掛け合わせることは最も強力かつ信頼性の高い手法に違いない。

 今回は他にも「チャンピオンサイヤー配合」の馬が2頭いる。キングカメハメハ×サンデーサイレンス牝馬のティアーモとセレブリティモデル。前者は秋華賞に強いリファールを祖母の父に持ち、後者は母が菊花賞馬マンハッタンカフェの全妹と、こちらも最後の1冠にピークを迎える血筋。次世代モデルのデニムアンドルビーに対する“旧式タッグ”の抵抗は見ものだ。(サラブレッド血統センター)

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