藤井正弘の血統トピック

そろそろサンデー、それとも…

[ 2013年9月25日 06:00 ]

 10年前のスプリンターズSでは1着デュランダル、2着ビリーヴ、3着アドマイヤマックスと、産駒が画期的な“ワンツースリー”を実現した種牡馬サンデーサイレンスだが、代替わりして以降は少々影が薄い。08年、10年と2着入線のキンシャサノキセキを出し、11年の2着馬パドトロワの母の父となった直系最古参のフジキセキが孤軍奮闘といった状況で、高松宮記念の当コラムでも書いた通り、スプリントG1においては明らかにその支配力を弱めているのである。

 馬券的には単純にサンデーサイレンスをNG血脈に指定してしまうという戦術も成り立つだろう。ちなみに今年の出走予定馬16頭を「非サンデーサイレンス」縛りで抽出すると、連覇を狙うロードカナロア以下8頭に絞り込むことができる。

 ふるい落とされるのは、父の父サンデーサイレンスのサクラゴスペル、母の父サンデーサイレンスのグランプリボス、さらには父アドマイヤムーンの母の父がサンデーサイレンスのハクサンムーン、前走でそのハクサンムーンを負かしたマジンプロスパーも母の父がサンデーサイレンス後継バブルガムフェローなのでアウトということになる。

 もっとも、種牡馬サンデーサイレンスが本格的に短距離部門に進出したのは02年のスプリンターズSの優勝馬、第7世代のビリーヴからだった。それまではちょうど現在のように、春秋のスプリントG1は鬼門とされていたことを思えば、そろそろ逆の目に張る頃合いと言えなくもない。 

 ブルードメアサイアーリーディング首位の座をノーザンテーストから奪って7年目となる今年は、母の父としての未踏峰だった皐月賞をロゴタイプで攻略した。秋のG1開幕戦も前記グランプリボス、あるいは大本命馬と同じキングカメハメハ産駒のアドマイヤセプターで「母の父サンデーサイレンス」のジンクス破りに懸けてみる手はある。(サラブレッド血統センター)

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