藤井正弘の血統トピック

潜在能力十分“隠し玉ルーキー”ハイアーゲーム

[ 2013年9月11日 06:00 ]

【新種牡馬紹介(9)】

 ◆ハイアーゲーム 01年生 青鹿毛 千歳産 中央で36戦5勝 主な勝ち鞍は青葉賞、鳴尾記念 2歳産駒39頭。

 01年セレクトセールで1億5000万円(税抜き)の高値がついた馬。3歳春までは対照的な生い立ちの地方馬コスモバルクの引き立て役に回ったが、ダービーコースで本領発揮。トライアルの青葉賞をレース史上最速タイム(2分24秒1)で圧勝すると、レコード決着となった本番でも大本命キングカメハメハにマッチレースを挑む気概を見せ、結果的にハーツクライの強襲に屈したものの3着に踏みとどまった。古馬戦線では脚部難に悩まされ、低迷が続いたが、屈腱炎を克服した6歳秋の鳴尾記念で復活。8歳時にも毎日王冠で同期カンパニーの3着に入り、エリートらしからぬ粘り腰を見せた。最盛期のスケール感あふれるパフォーマンスに加え、好馬体と血統背景からも種牡馬としての潜在能力は十分。現3歳世代で“2年目のブレーク”を果たしたローエングリンとイメージが重なる隠し玉的ルーキーだ。

 ◆スウィフトカレント 01年生 青鹿毛 千歳産 中央・地方で42戦6勝 主な勝ち鞍は小倉記念 2歳産駒40頭。

 こちらはセリに上場されなかったが、総額1億円で社台サラブレッドクラブによる競走馬ファンドが組まれた高馬。ピークを迎えた5歳時には小倉記念をレコード勝ちし、秋の天皇賞でもダイワメジャーを0秒1差まで追い詰めるなど、中距離馬としての高い能力を示した。半兄アサクサデンエン、半弟ヴィクトワールピサと、2頭のG1ウイナーを擁する一族のDNAは極めて信頼性が高く、今年でおおむね在庫一掃となるサンデーサイレンス後継の中でも屈指の良血。交配牝馬の質を問わない“自力型”で、ツボにはまれば重賞級も期待できる。(サラブレッド血統センター)

続きを表示

バックナンバー

もっと見る