藤井正弘の血統トピック

ダーレーグループで主戦級の実績誇るコマンズ

[ 2013年8月28日 06:00 ]

 ◆コマンズ 96年生 黒鹿毛 豪州産 豪州で15戦4勝 主な勝ち鞍はSTCミサイルS 2歳産駒50頭。

 大種牡馬デインヒルの後継としてオーストラリアで14年のキャリアを積み重ねたベテランで、かの地では既に9頭のG1ウイナーを送り出したリーディングの常連。先日発表になった南半球競馬暦による12/13年シーズンの総合サイヤーランキングでも第3位にランクされている。ちなみに2年前に記録した年間勝ち馬頭数155頭は豪州レコード。今年、世界の短距離女王ブラックキャヴィアの父ベルエスプリが肩を並べたものの更新には至らなかった。まぎれもないダーレーグループの主戦級サイヤーであり、立ち位置的には豪州にシャトルされた当時のフジキセキに近い。デインヒル系は基本的に芝向きで立ち上がりも早い。種牡馬として距離の守備範囲を広げてくるのもこの系統の特長。まずは小倉2歳Sに出走予定のハッシュに注目だ。

 ◆パイロ 05年生 黒鹿毛 米国産 米国で17戦5勝 主な勝ち鞍はフォアゴーS、ルイジアナダービー 2歳産駒49頭。

 極悪馬場の中、後方から2着まで追い上げたブリーダーズCジュベナイルなど、2歳時から高い素質を見せていた馬。ここ一番でポカが多く、ビッグタイトルとは縁がなかったが、潜在能力を買われてダーレージャパンの種牡馬ラインアップに加わった。父のプルピットは後継のタピットが北米で大成功を収めており、その産駒テスタマッタによって間接的に日本競馬への適応力も実証されている。初世代の馬体の良さは当歳時から評判で、84頭→112頭→133頭と順調に推移する交配数も産地の期待度を物語るもの。ダート特化型の血統にもかかわらず、早くも芝の新馬勝ち馬が出たあたり、イメージ以上に懐の深いタイプかもしれない。 (サラブレッド血統センター)

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