藤井正弘の血統トピック

天候に左右されない即戦力の安全株 ヨハネスブルグ

[ 2013年8月21日 06:00 ]

 【新種牡馬紹介(6)】

 ▼ヨハネスブルグ 99年生 鹿毛 米国産 英愛仏・北米で10戦7勝 主な勝ち鞍はブリーダーズCジュベナイル、ミドルパークS、モルニ賞、フィーニクスS 2歳産駒84頭。

 01年度のカルティエ賞欧州2歳牡馬チャンピオンにしてエクリプス賞米2歳牡馬チャンピオン。欧州3カ国のG1で圧勝を続けた後、遠征したBCジュベナイルも初ダートと距離延長を意に介さず完勝した。ちなみに事実上の北半球統一2歳王者は91年のアラジ以来2頭目で、この馬以降は現れていない。3歳時は再度の北米遠征となったケンタッキーダービーを含めて未勝利に終わり、最終的に大きく株を下げてしまったが、2歳馬としてのパフォーマンスは正真正銘のレジェンド級だったといえる。 

 種牡馬としては北米を基点に豪州とアルゼンチンでシャトル供用され、すでにG1サイヤーとなった後継種牡馬スキャットダディを筆頭に世界各地でグレードウイナーを連発。輸入前のラストクロップとなる10年生まれのアルゼンチン産馬からも亜1000ギニー大賞典などG1・3勝という世代最強クラス牝馬のジュハイナが出た。今年で種牡馬生活11年目を迎えたベテランだが、長命血統のストームキャット父系でもあり、活力の衰えは心配無用だ。

 父ヘネシー、母の父オジジアンともに日本で供用されてまずまずの実績を残した種牡馬。血統的には即戦力の安全株といった感じで、現実に先週末は産駒が函館と新潟で新馬3勝の固め打ちをやってのけた。2歳戦での強さはもちろん、荒れ馬場の新馬を大差勝ちしたペプチドスピカに見る通り、産駒には全天候型の資質もしっかりと伝わっている。19日現在、2歳リーディングではディープインパクトに30万円足らずの差まで肉薄する第2位。地方競馬に手駒が豊富なだけに今週中にも“いったん先頭”のシーンがあるかもしれない。(サラブレッド血統センター) 

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