藤井正弘の血統トピック

今年でほぼ“売り尽くし”のサンデーサイレンス直子

[ 2013年7月17日 06:00 ]

 今年も恒例の夏季集中連載、ファーストシーズンサイヤー紹介の時季となった。第1回は各種統計面からルーキーサイヤー2013を俯瞰(ふかん)したい。

 国内供用による血統登録産駒が北半球暦で13年に初めて2歳となった種牡馬=本年度のファーストシーズンサイヤーは32頭。各種牡馬の産駒数の合計は777頭で、2歳世代の国内血統登録総数6998頭に占める割合は約11%となる。昨年との比較では産駒数で145頭増。昨年はリーマンショック級の大暴落を記録した新種牡馬市場だが、ひとまず回復基調にはあるようだ。

 系統別では今年もサンデーサイレンス系を軸に19頭を擁するロイヤルチャージャー系が最大勢力で、ノーザンダンサー系5頭、ミスタープロスペクター系4頭、ナスルーラ系3頭、希少種のモスボロー系が1頭。最後のG1ウイナー、マツリダゴッホら11頭がラインアップされたサンデーサイレンス直子は、これでほぼ“売り尽くし”となる。ミスタープロスペクター系種牡馬はいずれも産駒数10頭未満で、この世代に血統更新の断層が生じている。

 種牡馬別産駒数ではコンデュイットの88頭が最多。以下、84頭のヨハネスブルグ、82頭のディープスカイ、80頭のマツリダゴッホ、74頭のカンパニー、54頭のスクリーンヒーロー、50頭のコマンズと続く。種牡馬業界の構造的にディープインパクト級のスーパールーキーは当分現れようがない。産駒数49頭のパイロあたりまでは十分に新種牡馬リーディング争覇圏内だろう。 (サラブレッド血統センター)

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