藤井正弘の血統トピック

ペガスター×「歴代屈指の皐月賞サイヤー」の強力タッグ

[ 2013年4月10日 06:00 ]

 桜花賞は種牡馬ディープインパクトの「V3」という、血統的には極めて順当な決着となった。後を受けて争われる牡馬の第1冠も注目すべきはオルフェーヴル、ゴールドシップで連勝中のステイゴールド産駒なのだが、残念ながら今年はエントリーがない。そこでクローズアップされるのが09年アンライバルド、10年ヴィクトワールピサで2年連続の“2代制覇”を果たした種牡馬ネオユニヴァースの皐月賞実績。産駒の累計成績【2003】という少数精鋭主義で、勝率4割という効率の良さである。弥生賞2着で出走権を得たミヤジタイガのコース適性は血統的にも裏書きされているということだ。

 “連対率”という観点ではネオユニヴァースの上を行くのがフジキセキ。00年のダイタクリーヴァ、06年のドリームパスポート、11年のサダムパテックと、3頭の2着馬を送り出した一方で、着外に終わった産駒は04年7着マイネルマクロス、08年10着サブジェクトの2頭。累計【0302】で連対率は実に6割ということになる。過去14世代クラシック未勝利という負の実績ばかりが強調されがちだが、こと皐月賞に関しては相当に信頼性の高い種牡馬なのである。

 今年のフジキセキ産駒はタマモベストプレイとメイケイペガスター。15世代目にして初の皐月賞2頭出しとなる。安定性では前記ドリームパスポートと牝祖ロイヤルサッシュを共有する同族でもあるタマモベストプレイが上位だが、一発の魅力なら「母の父ブライアンズタイム」のメイケイペガスターだろう。

 去る4日、28年の生涯を閉じたブライアンズタイムは、94年の3冠馬ナリタブライアンを皮切りに4頭の優勝馬を出した歴代屈指の皐月賞サイヤー。ナリタブライアンは大本命だったが、97年のサニーブライアンは11番人気、02年のノーリーズンは15番人気、07年のヴィクトリーは7番人気で、4頭の単勝平均配当4665円という最強の穴メーカーでもある。皐月賞最多勝(7勝)のサンデーサイレンスを母の父に据えることが不可能な種牡馬フジキセキにとっては、“あとひと押し”を託すのにこれほど頼りになる血脈もない。(サラブレッド血統センター)

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