藤井正弘の血統トピック

重賞馬0…ディープ第3世代 キズナ課題の成長力示せれば

[ 2013年2月27日 06:00 ]

 ついに重賞ウイナー不在のままクラシック戦線に突入することとなった、ディープインパクト第3世代。先週、ヒラボクディープが水仙賞を制し、本賞金900万円以上のオープン馬は11頭(次位はダイワメジャー、クロフネ産駒の7頭)と、種牡馬単位の市場占有率は相変わらず断然トップ。にもかかわらず、重賞レベルで突き抜けられない現状は、故障馬続出の第2世代を教訓に、仕上げの段階で意識的にピークの設定を遅らせた結果という見方もできるだろう。年頭から度々触れてきた「3年目のジンクス」も、牡牝のトライアルシリーズ開幕と同時に終息を迎える可能性がある。

 弥生賞でリスタートするキズナは98年の桜花賞馬ファレノプシスの弟。母のキャットクイルは、ビワハヤヒデ、ナリタブライアンのG1ブラザーズの母として知られる名牝パシフィカスの半妹で、この母が20歳という高齢で産んだ今のところ末っ子である。 

 昨年のラジオNIKKEI杯2歳Sではエピファネイアと0秒1差3着。今回も挑戦者の立場で臨むキズナだが、ディープインパクト第3世代に課せられた仮想テーマ=成長力を実証する格好のモデルケースといえる。

 ちなみに、過去のクラシック“兄弟制覇”のサンプルで最も歳が離れていた兄弟は、96年のダービー馬フサイチコンコルドと09年の皐月賞馬アンライバルドで、その差は13歳だった。キズナと長姉ファレノプシスは実に15歳差という年の差姉弟。“記録更新”が視野に入る好発進を期待したい。(サラブレッド血統センター)

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