藤井正弘の血統トピック

ディープ“3年目のジンクス” 弟に続き兄が穴埋める

[ 2013年2月20日 06:00 ]

 今週のアーリントンCは、同じコースで争われた昨年暮れの千両賞の再戦といった様相。当時、1分33秒4の好タイム勝ちを収めたカオスモスは年明けのシンザン記念で4着。千両賞で0秒2差2着だったコパノリチャードは前走の白梅賞を圧勝と、どちらも好調をキープしている。前者は09年優勝馬ダブルウェッジと同じマイネルラヴ産駒で、後者は昨年の2着馬オリービンと同じダイワメジャー産駒。血統的にもいよいよ一騎打ち濃厚ムードだが、忘れてはいけないのが朝日杯FS(13着)以来の実戦となるテイエムイナズマ。登録馬の中で唯一のグレードウイナーでもある同馬は、初勝利が阪神芝1600メートルだった。反攻の目は十分に残されている。 

 テイエムイナズマの父ブラックタイドはディープインパクトの1歳違いの全兄で、昨年の2歳新種牡馬チャンピオン。チチカステナンゴ、メイショウサムソンの社台スタリオンS組の不振による繰り上げ当選的戴冠だったが、少なくとも出足の良さは種牡馬としての将来性の担保といえる。産駒は他に川崎の2歳牝馬重賞・ローレル賞勝ちのデイジーギャルが南関東牝馬クラシック戦線で注目を集めており、アーリントンCにはもう1頭、サイモンラムセスのエントリーもある。

 種牡馬ディープインパクトの“3年目のジンクス”がジワリと表面化してきた3歳戦線だが、ひとまず牝馬部門は全弟オンファイアがクイーンCのウキヨノカゼで穴を埋めた。今週は“全兄”が威厳を示す番かもしれない。(サラブレッド血統センター)

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