藤井正弘の血統トピック

【朝日杯FS】“最旬”キンカメ産駒ワンツーも

[ 2012年12月12日 06:00 ]

 十分に勝機はあると踏んでいた香港スプリントのロードカナロアだが、芝1200メートル戦では大差に近い2馬身半差の圧勝は予想の一枚上を行くものだった。2、3着馬が伏兵だったのでレーティングの奮発はどうやら望み薄だが、実質的には女王ブラックキャヴィアに迫る短距離部門の世界No・2と胸を張れる内容である。

 キングカメハメハ産駒としては春のクイーンエリザベス2世Cのルーラーシップに続く、本年2度目の香港G1制覇。ちなみに種牡馬キングカメハメハは2年守った総合チャンピオンサイアーの座を明け渡すことが濃厚だが、国外戦も含めた番外の“全世界リーディング”ならば、ディープインパクトとの差は残り2週間+年末の東京大賞典で逆転可能な2億円ほどまでに圧縮される計算になる。 

 今週の朝日杯フューチュリティSの主役もキングカメハメハ産駒のコディーノ。2歳レコードを更新した前走の東京スポーツ杯2歳Sを含め、デビュー3連勝はいずれも完勝と言える内容で、能力的には間違いなく抜けた存在だ。マイルチャンピオンシップ勝ちのシンコウラブリイの半妹である母ハッピーパスは、自身、芝1600メートルの京都牝馬S勝ち馬。初体験となるマイルの急流にも全く不安のない血統であることは、08年からこのレース4連勝中という「母の父サンデーサイレンス」の実績からも裏書きされている。 

 キングカメハメハ産駒はもう1頭、京王杯2歳S2着のラブリーデイのエントリーがある。こちらも先週末の朝日チャレンジCを制したショウリュウムーンと「母の父ダンスインザダーク」まで共通する旬の穴配合。東西統一の2歳王者決定戦となった91年以降では、00年のサンデーサイレンス産駒(メジロベイリー→タガノテイオー)が最初で最後となっている“ワンツー”まで想定しておきたい。(サラブレッド血統センター)

続きを表示

バックナンバー

もっと見る