藤井正弘の血統トピック

【新種牡馬紹介(5)】フェニックス、距離の可動域広い

[ 2012年8月15日 06:00 ]

 スズカフェニックス 02年生 栗毛 平取産 中央29戦8勝 主な勝ち鞍は高松宮記念、阪神カップ、東京新聞杯 2歳産駒37頭。

 07年の高松宮記念優勝馬。同レースは05年アドマイヤマックス、06年オレハマッテルゼに続くサンデーサイレンス産駒の3連覇で、晩年のモンスターサイヤーのスプリント部門への傾倒を示す典型例となった。母の半兄に英ダービー馬にして種牡馬としても国内外で成功を収めたドクターデヴィアス、同じく母のこちらは全兄に高松宮杯勝ち馬にして日本調教馬として初の海外G1サイヤーとなったシンコウキングがいる種牡馬一族の出身。重賞級出現の期待は十分にかけられるだろう。11日のコスモス賞で小差2着に入ったマイネルホウオウに見る通り、産駒の可動域は短距離にとどまらない。 

 フサイチリシャール 03年生 芦毛 早来産 中央・UAEで24戦5勝 主な勝ち鞍は朝日杯フューチュリティS、阪神カップ、東京スポーツ杯2歳S 2歳産駒46頭。

 05年のJRA賞最優秀2歳牡馬。東京スポーツ杯2歳Sでは1分46秒9のレコードで後の2冠馬メイショウサムソンを一蹴してみせた。クロフネ産駒は牝馬に大物が偏っており、本馬が現在のところ唯一の後継種牡馬。それだけに特異な遺伝力を示す可能性もある。現役時に発揮した早熟性とスピード能力は種牡馬として重要な資質。配合的には「母の父サンデーサイレンス」のインブリードを活用した産駒に注目してみたい。(サラブレッド血統センター)

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