藤井正弘の血統トピック

【新種牡馬紹介(3)】遺伝力母の父譲り“骨太2世”出そう

[ 2012年8月1日 06:00 ]

 メイショウサムソン 03年生 鹿毛 浦河産 日、仏で27戦9勝 主な勝ち鞍はダービー、皐月賞、天皇賞・春、秋 2歳産駒69頭。

 ダービーと皐月賞の2冠を制した06年のJRA賞最優秀3歳牡馬。この年はサンデーサイレンス産駒がクラシックを走った最後の年で、血統史的にも重要な意味を持つタイトルと言える。4歳時にはグレード制導入後5頭目となる春秋の天皇賞完全制覇を達成。5歳時は勝ち星こそなかったものの、春の天皇賞と宝塚記念でタイム差なしの2着に入線し、秋には凱旋門賞に挑戦(10着)するなど、燃え尽き症候群に陥るケースが多い2冠馬としては例外的な骨太の競走生活を全うした。 

 同じ父オペラハウスの世界の賞金王、テイエムオペラオーに通じる“競走馬完結型”のイメージもあるが、国内最大手の社台スタリオンステーション供用という環境面のサポートはやはり大きい。先週の札幌で2戦目の変わり身を見せたメイショウアカフジ(牡=西浦)は05年桜花賞馬ラインクラフトの弟だったように、初年度の交配牝馬はサンデーサイレンス系を軸に粒がそろっている。

 数少ないサンプルからビートホロー、オアシスドリームと、欧州で2頭のG1サイヤーを出した「種牡馬の母の父」としてのダンシングブレーヴの遺伝力も強調材料。生産部門においては、8世代で平地グレード未勝利というテイエムオペラオーの轍(てつ)を踏むことはないだろう。(サラブレッド血統センター)

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