藤井正弘の血統トピック

【天皇賞・春】ルドルフ以来の“隔世戴冠”へ

[ 2012年4月25日 06:00 ]

 種牡馬ステイゴールドは先週末までに7世代536頭の産駒を出走させている。このうち「母の父メジロマックイーン」という産駒は今週末の大本命となるであろうオルフェーヴルを筆頭に6頭。ちなみにステイゴールドの出走産駒で最も多い「母の父」はトニービンの24頭で、以下ブライアンズタイム、ジェイドロバリー(14頭)、マルゼンスキー(10頭)、ティンバーカントリー、アフリート(9頭)、リアルシャダイ、コマンダーインチーフ、フォーティナイナー、ホワイトマズル(8頭)、デインヒル、アジュディケーティング、ヘクタープロテクター(7頭)と続き、メジロマックイーンの6頭は14位タイとなる。パーセンテージにすれば1・1%のサンプルが産駒の通算獲得賞金87億6364万円の約23%を占める20億3938万2000円を稼ぎ出していることになるのだから、この父と母の父の組み合わせは、数字の上でも画期的な「錬金配合」と言える。

 競走馬としてのステイゴールドが馬名とは裏腹のシルバーコレクションをスタートさせたのは、10番人気ながらメジロブライトの2着に追い込んだ4歳春の天皇賞だった。一方、メジロマックイーンは、父メジロティターン~祖父メジロアサマとさかのぼる国宝級とも言える天皇賞血脈の後継者として2頭しかいない春の天皇賞2勝馬となり、3度連対した唯一の馬となった。「父ステイゴールド」と「母の父メジロマックイーン」双方に因縁浅からぬ春の天皇賞。さらには3年前に3着に終わった全兄ドリームジャーニーのリベンジも懸かるオルフェーヴルにとって、血統的には3冠よりも有馬記念よりも重要なタイトルと言えるかもしれない。勝てば天皇賞馬を母の父に持つ馬としては、くしくも同じ4歳春(85年)に天皇賞に挑んだ3冠馬シンボリルドルフ(母の父スピードシンボリは67年春の優勝馬)以来、四半世紀以上の空白を埋める快挙となる。(サラブレッド血統センター)

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