藤井正弘の血統トピック

【皐月賞】ディープ産駒、中山で付く疑問符

[ 2012年4月11日 06:00 ]

 ディープインパクトが現役時に挙げた12勝は、そのほとんどが差してちぎる楽勝だったので、逆に2着馬と同タイムという辛勝だった弥生賞は強く印象に残っている。結果的に2馬身半差の完勝だった皐月賞も発馬直後に大きくつまずいてヒヤリとさせられたし、国内で最初にして最後の敗戦を喫したのは3歳時の有馬記念。産駒も中山で行われたこの春のトライアルでは相次いで1番人気に反しており、京成杯勝ちのベストディールは臨戦態勢が整わなかった。

 桜花賞でサンデーサイレンス以来となる「連覇」と「ワンツー」を達成したばかりのモンスターサイヤー2世だが、現役時代のトラウマなのか、どうも中山コースにはいくばくかの苦手意識がある感じ。抽選待ちのジョングルールを含めて6頭出しもあり得る戦況だが、史上8組目となる父子2代制覇は、それほど楽観できないようにも思える。

 「父子2代」が懸かるのは01年優勝馬アグネスタキオン、04年優勝馬ダイワメジャーも同じ。JRAのプロモーション映像でもフィーチャーされているアグネスタキオンは、既に08年優勝馬キャプテントゥーレを出した実績があり、こと皐月賞適性に関してはディープインパクトの上を行くだろう。産駒のグランデッツァは昨年の桜花賞馬マルセリーナの半弟。先週の「桜花賞姉妹制覇」はお預けとなったが、今週は「桜花賞馬の弟」がこれまた先例のないクラシック制覇に挑むことになるわけだ。

 10番人気だったダイワメジャーの単勝3220円はサンデーサイレンス産駒のクラシックにおける最高配当記録。この父の血を引くメイショウカドマツは、02年に皐月賞史上単勝最高配当(1万1590円)を叩き出したノーリーズンと3代母を共有する同族でもある。皐月賞限定の大穴血統と言えるかもしれない。(サラブレッド血統センター)

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