藤井正弘の血統トピック

【ドバイWC】兄超えのジンクスに挑むファルコン

[ 2012年3月28日 06:00 ]

 今週末にドバイのメイダン競馬場で開催される“ドバイミーティング”には5競走に7頭の日本調教馬が参戦する。もはや参加することに意義があるという時代は過ぎ、それぞれに勝算を見込んだ上でのエントリー。各レースの出走予定馬を見る限り、日本馬の「全勝」も「全敗」もあり得るといった状況だ。

 メーンの世界最高賞金競走、ドバイワールドCには昨年同様の3頭出し。中でも注目はダートグレード9連勝中のスマートファルコン。人工素材(タペタ)馬場への適応力に関しては期待半分、不安半分といったところだが、国内戦では小出しにしてきた印象もあるスピードを全開することができれば、世界の列強をレース半ばで戦意喪失させてしまう可能性さえあるだろう。

 スマートファルコンは、00年のドバイワールドCでレコード圧勝のドバイミレニアムの6着(2秒5差)に敗れたワールドクリークの半弟。血統的には兄の12年越しのリベンジが懸かった一戦ということにもなる。ちなみにドバイワールドCにおける「兄弟出走」は、99年の優勝馬アルムタワケルの弟エルマスタンサーが05年に出走(12着)して以来、通算4組目。96年7着のニードルガンの弟ルソーは97年9着、98年7着に終わり、01年の2着馬にして02年の11着馬トゥザヴィクトリーの全弟サイレントディールは04年に出走して12着だった。今回のスマートファルコンには、兄(姉)より優れた弟はいない、というジンクスを覆す大パフォーマンスをぜひとも見せてもらいたい。(サラブレッド血統センター)

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