藤井正弘の血統トピック

【共同通信杯】今週もあるぞ3歳重賞“金銀銅”

[ 2012年2月8日 06:00 ]

 45秒3~33秒7という上がりの速い展開を4角8番手から差して1馬身半差、自身の上がりは33秒0で、勝ちタイム1分47秒0はレースレコード…ワールドエースのきさらぎ賞を文字で書き起こせばこうなるのだが、モニター越しに伝わってきた“インパクト”は到底表現のしようがない。

 鞍上の小牧騎手はフィニッシュを完全に流していた。牝馬のジョワドヴィーヴル同様、視覚的にも父を想起させる強烈なパフォーマンス。やはり大胆不敵なネーミングに相応の逸材である。ちなみに母マンデラ(独オークス3着馬)の半弟にはプリンスオブウェールズSなどG13勝を挙げて07年度ワールドサラブレッドランキングでトップ(131P)となったマンデュロがいる。少々気が早いが、血統面からも文字通り「世界の頂点」を狙える可能性を見込んでおきたい。

 きらさぎ賞は2着に追い込んだヒストリカルも4角先頭で3着に粘ったベールドインパクトもディープインパクト産駒だった。種牡馬単位での重賞「ワンツースリー」は10年チューリップ賞のキングカメハメハ以来。グレード制導入の84年以降では、ほかにリアルシャダイ、サンデーサイレンス、サクラバクシンオー、フレンチデピュティが記録している。通算21回のサンデーサイレンス以外はいずれも最初で最後となっているが、もちろんディープインパクトの場合はあくまでも起点だろう。今週の共同通信杯もエントリーの上では“金銀銅”が十分にあり得る。(サラブレッド血統センター)

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