藤井正弘の血統トピック

古馬戦線にディープ産駒“キンカメ王朝”に暗雲!?

[ 2012年1月11日 06:00 ]

 総合=キングカメハメハ、2歳=ディープインパクト、BMS=サンデーサイレンス。11年度主要3部門のチャンピオンサイヤーは、サンデーサイレンスの最終世代がデビューした05年以来、6年ぶりにそろって前年と同じ顔ぶれとなった。

 総合チャンピオンサイヤーのタイトル防衛に成功したキングカメハメハの収得賞金は、前年度から3億8000万円余を上積みした42億4372万7000円。産駒デビュー4年目にしての40億超えは、サンデーサイレンスの5年目をしのぐ史上最速ペースとなる。内国産種牡馬としては80、81年のアローエクスプレス以来の連続リーディング奪取。昨年はダート部門限定のランキングでもトップだったが、これは90年のノーザンテースト以来で、最盛期のサンデーサイレンスも成し得なかった快挙だ。

 ただし、一見強固な“カメハメハ王朝”の前途には暗雲も立ち込めている。2年前にディープインパクトに王座を追われた2歳リーディングでは8位と、前年の4位からさらにランクを落としているのである。

 4歳世代の重賞勝ち馬は現在のところ京阪杯を制したロードカナロアのみで、3歳世代もフェアリーS2着で波乱を呼んだマイネエポナが初めての重賞入着馬。トゥザグローリーなどを擁する黄金の5歳世代が目隠しになってはいるが、直近2世代は明らかにパワーダウンしている。今年から古馬戦線にも手駒を送り込むディープインパクトを退けるのは難しいかもしれない。(サラブレッド血統センター)

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