藤井正弘の血統トピック

【マイルCS】イモータル歴代外国馬最強クラス

[ 2011年11月16日 06:00 ]

 マイルCSもプレレーティング上位は外国勢。イモータルヴァースは121ポイントでサプレザは119ポイントと、牝馬のアロワンス(減量)込みでも日本馬最上位のリアルインパクトの116ポイントを大きく上回る。プレレーティングとは基本的に直近1年のスパンで発揮された最大能力を数値化したもの。個人的には外国馬の場合、レーティングと人気のギャップに最も注目しているのだが、さて、今週の2頭はどうだろうか。 

 3年連続出走となるサプレザは、良くも悪くも日本の競馬で発揮できる能力水準が固定された感じだが、母の父プレザントタップの父としての代表産駒には、6歳以降にジャパンC、宝塚記念、京都大賞典、そして金鯱賞3連覇と、重賞6勝を挙げたタップダンスシチーがいる。晩成血脈の後押しで3度目の正直があるかもしれない。 

 イモータルヴァースのレーティングは、性差を考慮すれば04年に来日したラクティ(124ポイント)とほぼ同格。マイル部門の「カク外馬」としては歴代最強クラスとも言える伸び盛りの3歳牝馬だ。父ピヴォタルは、ヌレエフ系ポーラーファルコン直子のG1スプリンター。種牡馬としてはマイル、中距離、2400メートル級までカバーする万能型で、04年の京王杯スプリングCでレコード決着の3着となった外国馬フィートソーファストがこの父の産駒だった。母のサイドオブパラダイスは、欧州スプリント王にして北米遠征でBCマイルも制したラストタイクーンの半妹。ラストタイクーンと言えば、日本でも桜花賞馬アローキャリーを出したシャトルサイヤーの草分け的存在でもある。この血統ならアウェーでの戦いに不可欠の柔軟性を備えている可能性は少なからずある。

 2年連続で恐るべき爆発力を見せつけたスノーフェアリーも初来日当時は高速決着への適性を疑問視されていた。7年前のラクティの悪夢(14着)も脳裏をよぎるが、マイル1分38秒台の持ち時計が嫌われるようなら強気に狙ってみたい。(サラブレッド血統センター)

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