藤井正弘の血統トピック

秋華賞サイヤーの条件は「セカンドクロップ」

[ 2011年10月12日 06:00 ]

 アパパネ3冠達成から1年。今年はそのアパパネと同じキングカメハメハ産駒の名前が出走確定ラインの15頭までに入っていない。

 現在、リーディング2位のマンハッタンカフェとの差は12億円余。既に2年連続チャンピオンサイヤーの座が確定的な種牡馬キングカメハメハだが、今年の3歳世代に関してはいまだにグレード勝ち馬も出ていないという低空飛行が続いている。3歳G1馬不在のチャンピオンサイヤーとなると、4歳上の世代しか残っていなかった07年のサンデーサイレンスを除けば97年のサンデーサイレンスまでさかのぼらなければならない。逆の見方をするなら、残る牡牝の3冠最終戦では“帳尻合わせ”に要注意とも言える。母アドマイヤグルーヴ、祖母エアグルーヴ、3代母ダイナカールというG1至上牝系のアドマイヤセプターが「13分の3」をクリアするようだと面白くなる。

 さて、今回はキングカメハメハばかりでなく、一昨年の優勝馬レッドディザイアの父マンハッタンカフェ、08年の優勝馬ブラックエンブレムの父ウォーエンブレム、07年の優勝馬ダイワスカーレットの父アグネスタキオンも産駒をエントリーさせることができなかった。つまり「秋華賞実績」のある種牡馬はリヴァーレと抽選待ちのゼフィランサスの父、06年優勝馬カワカミプリンセスの父キングヘイローのみとなる可能性もあるわけで、このあたりが牝馬3冠目独特の血統的流動性だろう。 

 ちなみに列記した過去5年の優勝馬のうち、レッドディザイア以外の4頭までが父にとって2世代目の産駒だった。レッドディザイアにしても3世代目。鉄は熱いうちに…がポストSS時代の秋華賞サイヤーの条件なのかもしれない。主力級ではアヴェンチュラがジャングルポケットの第5世代、ホエールキャプチャがクロフネの第6世代と、少々“鮮度”に欠けるのが気になる。データ的に最強の「セカンドクロップ」は、デュランダル産駒のエリンコートとロージズインメイ産駒のマイネソルシエールだ。(サラブレッド血統センター)

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