藤井正弘の血統トピック

【南部杯】トランセンド帰国初戦も絶対優位

[ 2011年10月6日 06:00 ]

 「岩手競馬を支援する日」として開催される4回東京3日目の目玉商品は、本年限定でJRA主催となったマイルCS南部杯。1着賞金4500万円はG2の東海Sより800万円も低額という最軽量級「G1」だが、JRA所属馬の出走枠拡大によって、レース史上初めて十指に余るダートGウイナーがゲートを埋める。“フェブラリーS・秋”とも言うべきハイレベルの一戦だ。 ホスト待遇の岩手競馬からは生え抜きの“岩手の星”ロックハンドスター(父マーベラスサンデー)、元JRA準オープン馬ゴールドマイン(父ダンスインザダーク)が参戦。後者は3年前の4回東京開催でダート1600メートルの1000万下を勝った実績がある。スランプ状態の前者ともども、残念ながら能力的にダートグレード水準には及ばないが、地元では古馬ツートップといえる存在。当日の盛岡競馬で組まれた重賞・絆カップ(1着賞金300万円)をスルーした今回の“オリンピック精神”には、馬券を離れてエールを送りたい。

 さて、同一年度に同一コース、同一条件のG1が組まれることは、緊急避難的措置だった今回が恐らく最初で最後。単純にフェブラリーSの再戦と割り切れるはずで、トランセンドの優位は不動だろう。

 父のワイルドラッシュは、本年度の産駒の総獲得賞金8億1814万円のうちの7億6498万9000円、実に93%がダートという究極のダート専用サイアー。南部杯にもクリールパッションとの“2頭出し”となる。ちなみに総合リーディングは17位だが、ダート限定の種牡馬ランキングでは一気に7位までジャンプアップ。トップのキングカメハメハとの差は2億4000万円弱で、高額賞金レース目白押しの最後の1クールでの大逆転も不可能ではない。ダートリーディングの行方もかかる春の王者の帰国初戦。まずは順調なリスタートが見られそうだ。(サラブレッド血統センター)

続きを表示

バックナンバー

もっと見る