藤井正弘の血統トピック

【ヴィクトリアM】アレトゥーサ兄フェスタの激走再現

[ 2011年5月11日 06:00 ]

 ヴィクトリアマイルは創設6年目にして初めて前年の優勝馬が連覇に挑むことになる。そのブエナビスタはドバイ帰り初戦という臨戦ステップも昨年同様で、体調に関しては経験値アップの今回の方が数段いいはず。しかも現役牝馬で唯一、先に決勝線到達を許している宿敵レッドディザイアが不在となると、レース史上初のV2達成の確率は極めて高い。先週は弟のトーセンレーヴが執念の連闘でプリンシパルSを制してダービー出走権をもぎ取った。順当なら今週は姉が貫禄を示す番だろう。

 打倒ブエナビスタのわずかな可能性を求めるとすれば、やはり初顔合わせとなる4歳勢。実績的には2歳女王にして3冠牝馬というアパパネが一番手だが、1年足らずの間に5冠を狙った“勤続疲労”はそれなりに考慮しておく必要がある。ちなみに過去の3冠牝馬メジロラモーヌ、スティルインラブは共に3冠最終戦が最後の勝ち鞍だった。

 アパパネの場合は、トゥザグローリー、ローズキングダムの共倒れに終わった天皇賞を境にキングカメハメハ産駒のバイオリズムが降下気味なのも少々気になる。今回は5歳カウアイレーンを含め、ショウリュウムーン、レディアルバローザ、エーシンリターンズの5頭出し。これで結果を出せないようだと、一時はキングカメハメハ独走と思われた種牡馬リーディングの行方も混とんとしてくる。

 血統的にマークしておきたいのはディアアレトゥーサ。サンデーサイレンス産駒のワンツースリーで決着した第1回ヴィクトリアマイルは、モンスター種牡馬が東京1マイルへのコンプレックスを完全に払しょくした画期的なレースだったが、優勝馬ダンスインザムードの全弟にあたるのがディアアレトゥーサの父トーセンダンス。兄のナカヤマフェスタは8番人気の伏兵だった昨年の宝塚記念で大本命ブエナビスタを差し切ってスターダムにのし上がった。妹の方もあるいは…。(サラブレッド血統センター)

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