藤井正弘の血統トピック

【高松宮記念】サマーウインド、両親後押し!

[ 2011年3月23日 06:00 ]

 59キロを背負った前走のオーシャンSで健在ぶりを示した昨年の覇者キンシャサノキセキ、マイルチャンピオンシップで大穴をあけた昨年の3着馬エーシンフォワード、スプリンターとして蘇生した2年前のNHKマイルCの覇者ジョーカプチーノ…実績的には3頭のG1ウイナーが一歩リードといえる春の短距離王決定戦だが、忘れてはならないのが“第4のG1ウイナー”サマーウインド。昨秋のJBCスプリントを4馬身差で圧勝した国内最速のダートホースだ。

 デビュー2戦目の小倉1200メートル戦(2着)以来、芝コース出走は実に2年7カ月ぶりとなるサマーウインドだが、血統的には大いに成算があるチョイスといえる。父のタイキシャトルは仏G1・ジャックルマロワ賞を含むG1・5勝を挙げた歴史的マイラーだが、未勝利、500万をダートで勝ち上がり、初重賞もダートのユニコーンSというオールラウンダーの草分け的存在でもあった。この父の代表産駒メイショウボーラーは2歳時に重賞2勝、朝日杯フューチュリティS2着と芝路線で活躍した後、ダート転向した4歳時にフェブラリーSを制し、5歳時にはスプリンターズSで2着入線と、こちらも芝、ダート兼用のG1級スイッチランナーとして名を売った。ジャンル横断はこの父系の一流馬の宿命ともいえるのである。

 母のシンウインドもダートで3勝を挙げた後、芝に転向してスワンS、京王杯スプリングCに優勝した。父だけでなく、母もまた、芝コンバートの成功例というわけだ。ちなみにこの母は90年、当時は中京2000メートルで争われていた「高松宮杯」の2着馬でもある。(サラブレッド血統センター)

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