藤井正弘の血統トピック

【フェブラリーS】フリオーソBT産駒初制覇だ

[ 2011年2月16日 06:00 ]

 船橋のフリオーソは4歳時の08年ジャパンCダート(7着)以来のJRA参戦となる。昨年のかしわ記念からは連を外しておらず、今季初戦の川崎記念も大楽勝。衰えを知らない南関東の主がいよいよ国内統一に乗り出す構えだ。 

 2歳時から6年にわたってダートグレードの第一線を張ってきたフリオーソの“キープ力”は、やはりその血統を抜きにしては語れない。26歳となった父ブライアンズタイムは今年も現役種牡馬として22回目の種付けシーズンを迎える。種牡馬生命の長さも驚異的だが、特筆すべきはその間、常に重賞レベルの産駒を供給し続けていること。ルーキーイヤーの93年、ナリタブライアンの朝日杯3歳Sに始まった産駒の平地重賞勝利は、フリオーソの川崎記念で19年連続まで伸びた。先月26日付の「血統トピック」で触れた通り、ダートグレード競走を含めた国内記録はノーザンテーストの20年連続だが、フェブラリーSにもフリオーソの他に4歳バーディバーディがエントリーしているように、現有戦力の分厚さから2年後の記録更新はほぼ確実と思われる。 

 ちなみに「連続年度グレード勝利」の世界記録は、78年から04年まで実に4つのディケードを股にかけてミスタープロスペクターが樹立した27年連続。フリオーソは、そのミスタープロスペクターを母の父に持っている。つまり実質的な世界2大長命サイヤーの血を引いているわけで、究極のアンチエージング配合ともいえるのである。 

 フリオーソは2歳時に川崎1600メートルの全日本2歳優駿を勝っている。昨年のJBCクラシックでは1200メートル通過1分11秒0というスプリント戦並みのハイラップを刻んでおり、JRA水準の時計勝負にも適応できるはず。ブライアンズタイム産駒はこれまでフェブラリーSに縁がなく、99年エムアイブランの2着が最高着順だが、昨年の優勝馬エスポワールシチーは母の父がブライアンズタイムだった。遅まきながら今年は「直子」の出番だろう。(サラブレッド血統センター) 

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