藤井正弘の血統トピック

仏で種牡馬入り!ファイングレイン成功は保証!?

[ 2011年2月9日 06:00 ]

 2日付で競走馬登録を抹消された08年の高松宮記念優勝馬ファイングレイン(牡8歳、父フジキセキ)がフランスで種牡馬入りするという。

 フランスで08年の英1000ギニー馬ナタゴラを出し、種牡馬大国トルコに栄転したディヴァインライトが呼び水となり、ここ数年は毎年のように日本産馬が種牡馬として海を渡っている。フランスにアグネスカミカゼ、ローゼンカバリー、ボーンキング、ミレニアムバイオ、イタリアにはヴィータローザ、南アフリカにもアドマイヤメインが輸出され、ニュージーランドではペインテドブラックがG3勝ち馬を出した。米国では今年、ハットトリックの初世代がデビューする。

 列挙した馬は全てサンデーサイレンス産駒だが、ファイングレインの場合は、父のフジキセキも日本産馬であることが画期的といえる。古くはインドで供用されたハクチカラ(父トビサクラ)や韓国に寄贈されたヤマノスキー(父マルゼンスキー)などもいたが、パート1競馬国で「父内国産種牡馬」が供用されるのは史上初めてのことだ。

 高松宮記念勝ち馬ではニュージーランドでG1サイヤーとなったシンコウキング(当時は高松宮杯)や欧州で7頭のGウイナーを出したシンコウフォレストの成功例がある。前記ディヴァインライトのキャリアハイも高松宮記念2着だった。屈辱の15連敗で現役を退いたファイングレインだが、種牡馬としての資質は最初で最後のG1タイトルによって保証されている。(サラブレッド血統センター)

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