藤井正弘の血統トピック

父譲りのスケール感 マシン初の3連勝に期待

[ 2011年1月12日 06:00 ]

 シンザン記念のドナウブルー、フェアリーSのイングリッドと、東西の重賞で人気を裏切ってしまったディープインパクトの牝駒2頭。マイルの急流にガツンと引っかかって失速という負けパターンも共通で、このあたりは種牡馬ディープインパクトに潜在するリファール(母の父アルザオの父)血脈の奔放さが顔を出した感じだった。2歳戦での好ダッシュの原動力となったスプリンター的な血気は、ディープインパクト自身の若駒時代にも垣間見えたリファール由来の属性。この劇薬的血脈の処方箋がクラシック戦線を読み解くカギになるかもしれない。

 開幕週から白星ラッシュとはいかなかったディープインパクト産駒だが、そんな中で目を引いたのは8日の寒竹賞で新馬→特別V2のエリートコースに乗ったターゲットマシン。15番枠から終始外を回って直線一気に抜け出すという強い競馬だった。優等生タイプが多いこの父の牡馬としては、最も父に近い破天荒なスケール感を漂わせる逸材だ。

 ターゲットマシンは母のハンターズマーク(父タイタスリヴス)がキングカメハメハの1歳違いの姉にあたる。つまり、昨年度の2歳チャンピオンサイヤーの産駒であると同時に、昨年度の総合チャンピオンサイヤーのおいでもあるわけだ。間接的ながら実現した2大種牡馬による黄金タッグ。現時点で望み得る最先端のクラシック配合ともいえるだろう。次走はいよいよ一線級相手となるが、ディープインパクト産駒初の3連勝を期待しておきたい。(サラブレッド血統センター)

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