藤井正弘の血統トピック

【エ女王杯】“第3の馬”ミラーグロ初舞台で一変も

[ 2017年11月9日 05:30 ]

 3番人気のクイーンズリングが優勝し、2着に12番人気のシングウィズジョイが入った昨年は、馬連万馬券、3連単15万馬券の大荒れとなった。波乱を演出した血統面の立役者は両馬の父マンハッタンカフェ。同一種牡馬の産駒によるワンツーはサンデーサイレンス産駒のアドマイヤグルーヴ→スティルインラブで決着した03年以来、13年ぶりのことだった。

 前2年続けて優勝馬を出していたディープインパクトから“最重要サイヤー”の座を奪った形のマンハッタンカフェだが、そこには2つの伏線があった。1つは現5歳が3頭のグレード勝ち馬を擁する牝馬特化型の豊作世代だったこと、そしてもう1つは京都芝2200メートルへの潜在的な適応力。エリザベス女王杯では結果が出ていなかったものの、同じコースの京都新聞杯の勝ち馬を08年から3年連続で送り出していたのである。京都新聞杯ではこの春、プラチナムバレットが通算4頭目の勝ち馬となり、種牡馬マンハッタンカフェの特異なコース適性を改めてアピールしている。

 今年もマンハッタンカフェ産駒は3頭出し。連覇に挑むクイーンズリング、2年前の4着馬ルージュバックはもちろん、同じ5歳世代の“第3の馬”クインズミラーグロにもチャンスはある。天皇賞、ジャパンC、有馬記念の秋季古馬3冠を達成したゼンノロブロイの同族で、使い減りしないタフな血筋。初体験の京都2200メートルでパフォーマンスを上げてくる可能性は十分だ。(サラブレッド血統センター)

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