藤井正弘の血統トピック

【菊花賞】種牡馬ルーラーシップの今後を占う一戦

[ 2017年10月19日 05:30 ]

 今回の菊花賞で種牡馬単位の切り口から興味深いのは、現時点で3頭出しが確定しているディープインパクト、ハーツクライ、ステイゴールドの常連組に割って入ろうかという新顔ルーラーシップの台頭。神戸新聞杯2着のキセキ、同4着ダンビュライトの2頭が出走ラインをクリアし、ダノンディスタンスが抽選待ちという状況だ。

 ルーラーシップは初年度産駒となる3歳世代限定リーディングで15日現在、クロフネに次ぐ6位にランクされている。すでに一流種牡馬の資質を十分に示しているにもかかわらず、いまだに産駒はグレード未勝利。平均点は高くても突出した大物が出ていないということなのだが、一方で“量産型”に映る産駒は、その多くが本来の適性に見合う番組=長距離戦を走る機会がなかっただけという見方もできるだろう。

 キセキは母のブリッツフィナーレが次代のマイル路線の主役と目されるグレーターロンドンの全姉。距離延長は必ずしも歓迎とは言えない母系だが、種牡馬ルーラーシップの属性を確認するには格好のサンプルと言える。ちなみにグレード制が導入された84年以降、菊花賞が産駒のグレード初勝利となった種牡馬は90年の優勝馬メジロマックイーンの父メジロティターンのみ。父系3代天皇賞制覇のセットアッパーを務めた極め付きのステイヤーである。(サラブレッド血統センター)

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