藤井正弘の血統トピック

(外)きょうだい列伝“先例”にならえばラビット戴冠

[ 2017年10月12日 05:30 ]

 ラビットランのローズSは直線一気の勝ちっぷりもさることながら血統的にも強烈なインパクトがあった。

 昨年まで3年連続で北米チャンピオンサイヤーとなった父タピットは、現3歳世代からも通算3頭目のベルモントS勝ち馬タップリットを出すなど、ダートがメインの北米競馬で圧倒的な実績を残す大種牡馬。日本でもフェブラリーS勝ちのテスタマッタを筆頭に23頭の輸入、持ち込み産駒が勝ち馬となっているのだが、当然ながらその大半がダートの活躍馬で、ラビットランより前に芝で勝った馬はわずかに4頭しかおらず勝ち鞍は全て下級条件戦だった。芝で2戦連続最速の上がりを記録したラビットランは、最強ダートサイヤーである父の鬼っ子ともいえる存在である。

 半弟アサクサゲンキは小倉2歳Sでひと足先に重賞勝ちを収めていた。(外)のきょうだい馬によるJRA重賞制覇はアグネスデジタルの半弟ジャリスコライトが06年京成杯を制して以来のレアケース。その前にはヒシアケボノ、アグネスワールドの“G1ブラザーズ”、タイキフォーチュン・ダイヤ・リオンのタイキ3兄弟、さらにさかのぼるとシンコウラブリイ、タイキマーシャル姉弟もいる。いずれも年長の方がJRAG1ウイナーという先例に倣えば、ラビットランもG1タイトルに手が届くことになる。(サラブレッド血統センター)

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