藤井正弘の血統トピック

ウォーエンブレム後継へ期待ブラッシュ

[ 2017年2月1日 05:30 ]

 本年最初のビッグタイトル、第66回川崎記念がきょう1日、川崎競馬場ダート2100メートルで争われる。昨年のJRA賞最優秀ダートホース、サウンドトゥルーと重賞パーフェクト連対を続けるケイティブレイブの一騎打ちムードだが、血統面から注目しておきたいのがオールブラッシュ。9着に敗れたレパードS以来、1年半ぶりの重賞挑戦である。

 オールブラッシュの父ウォーエンブレムはケンタッキーダービーとプリークネスSを制した02年米3歳牡馬チャンピオン。同年8月に急死したサンデーサイレンスの後釜として社台スタリオンステーションに導入されたのだが、特定の繁殖牝馬にしか興味を示さないという種牡馬としては致命的な欠陥を克服できず、15年秋に帰国した。実働9年(07年、13年以降は種付け実績なし)の種牡馬生活で残した血統登録産駒は一流種牡馬なら1世代分の119頭。その中から7頭の平地重賞勝ち馬を含む81頭の勝ち馬を出しているのだから、潜在能力は正真正銘の“ポストSS”級だった。

 現在のところ唯一の後継であるシビルウォー(ダートグレード5勝)は前2年で123頭の交配牝馬を集めた。これはウォーエンブレム系という希少ブランドへの生産地の信頼度の表れだろう。12年生まれのオールブラッシュは父の実質的な最終世代。貴重な血脈を次代につなぐアンカーとなる可能性を秘めている。(サラブレッド血統センター)

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