藤井正弘の血統トピック

種牡馬モーリス最大の魅力「SS3×4」

[ 2017年1月18日 05:30 ]

 15日に引退式が行われたモーリスは今年から社台スタリオンステーションで種牡馬生活に入る。日本と香港の2カ国で“2階級制覇”を達成した絶対王者。生産部門での成功は約束されているが、蛇足を承知でその血統に潜む大きな可能性に触れておきたい。

 父のスクリーンヒーローは、同じジャパンC勝ちのアドマイヤムーンやジャパンCダート勝ちのヴァーミリアンらと並ぶ「母の父サンデーサイレンス」種牡馬の草分け。その初の後継となるモーリスの血統表の中では、サンデーサイレンスは3代前に位置している。ちなみに父系3代前がサンデーサイレンスという種牡馬は現在のところ昨年、初産駒が1頭生まれたカゼノグッドボーイ(父マジェスティック、父の父バブルガムフェロー)のみ。つまり、実質的にはサンデーサイレンス血脈を最も長く継承してきた種牡馬であり、同時に広義でのSS系最新モデルともいえるわけだ。

 本紙既報の通り、初年度の交配相手の候補にはジェンティルドンナやブエナビスタといった名牝が挙がっているが、これらサンデーサイレンス後継種牡馬を父に持つ牝馬との配合では“奇跡の血量”3×4でサンデーサイレンス血脈がインブリードされることになる。これは種牡馬としては強力なアドバンテージ。産駒には自身が封印した“3階級制覇”の期待も懸けられるだろう。(サラブレッド血統センター)

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