藤井正弘の血統トピック

ブラック昨年3着以上がミッション

[ 2016年12月22日 05:30 ]

 キタサンブラックがジャパンCを鮮やかに逃げ切った時は、母の父サクラバクシンオーの父サクラユタカオーに思いをはせた。

 サクラユタカオーは86年ジャパンCでオセアニアの強豪アワウェイバリースター、欧州の女傑トリプティクなどを抑えて単勝1番人気に支持された名中距離馬。同馬にはその5年前、第1回ジャパンCで玉砕的な大逃げから9着に沈んだ半兄サクラシンゲキの雪辱も懸かっていたのだが、結果はジュピターアイランドの6着だった。ジャパンCを1番人気で逃げ切ることは、後継種牡馬のサクラバクシンオーを経由してキタサンブラックのDNAに刷り込まれた悲願であり、最終目標だったともいえるだろう。

 有馬記念もまた、「母の父サクラバクシンオー」に因縁の深いタイトルだ。こちらはサクラバクシンオーの母サクラハゴロモ。同馬は81年の優勝馬アンバーシャダイの7歳違いの全妹である。

 3番人気だった4歳時の有馬記念で初めてビッグタイトルを手に入れたアンバーシャダイは、翌82年は1番人気で2着、ラストランとなった6歳時の83年にも1番人気で3着。3年連続で馬券に絡んで“金銀銅”をコンプリートしたグランプリの顔役だった。昨年の3着で血統的なミッションを一つクリアしたキタサンブラックは今年、恐らく1番人気。着順を落とすわけにはいかない。(サラブレッド血統センター)

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