【セントライト記念】アスクビクターモア 加速スムーズ!ラスト11秒8、田村師も自信「出来上がり」

[ 2022年9月16日 05:30 ]

追い切りを行うアスクビクターモア(撮影・西川祐介)
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 3日間開催の月曜(19日、中山)に行われる菊花賞トライアル「第76回セントライト記念」(3着まで優先出走権)の最終追いが15日、東西トレセンで行われ、美浦Wコースで進化を証明したのがダービー3着のアスクビクターモアだ。気性面が成長し、春よりも落ち着いた様子で最終リハをクリア。反撃の秋へ確かな一歩を踏み出した。

 走りより歩き。アスクビクターモアの進化は、馬場入り直前の様子に表れていた。田村師は「(走る前に)ゆっくりと動いてUターンするのは意外と難しいけど、きちんと歩けるようになっていた。我慢ができている。3カ月の間に精神的に大人になったよ」と説明。調教から燃え過ぎる気性に頭を悩ませた春とは違う姿があった。

 Wコースでの最終リハは静かにスタート。鞍上が抑えて抑えて直線でエネルギーを解放させた春とは違い、スムーズな加速で道中をクリアする。それでいてダイナミックなフットワークは健在だ。強めに追われた直線でさらに加速。内容の詰まった5F66秒7~1F11秒8に、師は手応えを隠さなかった。「調教のフェーズが変わってきた。落ち着いて走って、右から左に手前を替えたらグーンと行っていた。今ならもう併せ馬をしても大丈夫そうなくらいに落ち着いている」

 春2冠は皐月賞5着、ダービーが3着。積極的な競馬で夢を見たが、あと少しの差でタイトルに手が届かなかった。しかし、セントライト記念に春2冠で先着を許したドウデュース、ジオグリフ、イクイノックス、ダノンベルーガの名はない。それだけに内容と結果を求めたい始動戦。弥生賞ディープインパクト記念など4戦3勝の中山への不安も一切ない。師は「中山は合っていると思う。馬体面も少しずつ成長しているし、出来上がりつつある段階」と力を込めた。

 その先の路線選択は今回の結果次第。距離延長に挑むラスト1冠か、強力古馬相手の中距離路線か。どちらに向かったとしても、自信を支えるのは春から大きく成長したメンタル面だ。「脚が速いのは出世していく中での絶対条件だけど(我慢も)絶対に必要な能力。それは一流馬になればなるほど大切になるので。距離を延長する上でも大事になる」と田村師。春2冠の悔しさとプライドが交じる始動戦。ここは格好をつけたい。

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2022年9月16日のニュース