【京成杯AH】ファルコニア 待望の重賞初V、叩き合い制し8度目挑戦ついに

[ 2022年9月12日 05:20 ]

<中山11R・京成杯AH>叩き合いを制し、重賞初制覇を飾った吉田隼騎乗のファルコニア=左から2頭目、左は2着のミッキーブリランテ(撮影・西川祐介)
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 中山競馬場で11日、行われたサマーマイルシリーズ最終戦「第67回京成杯AH」はファルコニアが8度目の重賞挑戦で初制覇。高野厩舎は紫苑Sに続き、土日重賞連勝を決めた。

 秋を思わせる紅葉色の帽子2頭が中山の急坂を並んで駆け上がる。ファルコニアが外からミッキーブリランテに迫る。壮絶な叩き合い。首の上げ下げ。G前で外からグイッともう一伸びしファルコニアが首だけ前に出た。8度目の挑戦でついに重賞タイトルを収穫。吉田隼は「早めに先頭に立ったし、最後はハンデ戦らしくぎりぎりだった。それでもよく勝ってくれた」と笑顔で相棒を称えた。

 成長を見せる秋。スタートを決めてスッと好位につけたが、400メートル地点でミッキーブリランテが一気に上昇。ペースが乱れる。それでもピタッと折り合った。「以前はムキになって走るところがあったが息が入っていた。古馬になって成長している」と吉田隼。高野師も「前だったらエキサイトしていたと思う。普段からもだいぶ落ち着いてきた」と感心。気性面の成長が勝利につながった。

 高野師にとっても実りの秋が到来。前日の紫苑Sスタニングローズに続いて連日の重賞V。秋競馬最高の幕開けを飾った。指揮官は「僕のことはいいんです…。ファルコニアはこれだけの血統馬。角居先生から引き継いで、今まで勝たせられなかったのは恥ずべきこと」と謙遜したが、厩舎は今年重賞4勝目。間違いなくG1の最前線に立つ。

 楽しみな秋は続く。今後については、馬の状態を見てオーナーと相談してだがと前置きした上で「このスローの展開で外から来られて落ち着いていけた。距離を含めて選択肢が広がっていく」と距離延長も含めて展望を語った。ディープインパクト産駒の良血馬。さらなる大輪を咲かせる日も近い。

 ◆ファルコニア 父ディープインパクト 母カンビーナ(母の父ホークウイング)17年2月10日生まれ 牡5歳 栗東・高野厩舎所属 馬主・社台レースホース 生産者・北海道千歳市の社台ファーム 戦績19戦6勝(重賞初勝利) 総獲得賞金2億15万7000円。馬名の由来はファルコン(はやぶさ)+接尾詞ia。はやぶさが治める地。

 【京成杯AHアラカルト】

 ☆騎手&調教師 吉田隼のJRA重賞勝利は今年3勝目で通算26勝目。高野師は今年4勝目で通算20勝目。

 ☆種牡馬 ディープインパクト産駒のJRA重賞勝利は今年6勝目で通算277勝目。

 ☆関西馬 関西馬は19年(トロワゼトワル)から4年連続の勝利。通算成績は関西馬12勝で関東馬55勝。

 ☆人気 単勝1番人気の勝利は18年(ミッキーグローリー)以来で通算17勝目。

 ☆ハンデ ハンデ56キロの勝利は昨年(カテドラル)に続き通算9勝目。

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