【福島新馬戦】スワッグチェーン まさにG1の申し子!一族と厩舎の思いも背負って初陣に臨む

[ 2022年7月19日 05:30 ]

Road to classic 2023

スワッグチェーン
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 今週末で福島競馬が閉幕。北海道シリーズは舞台を函館から札幌に移し、夏競馬も後半戦に突入する。福島ラストの芝2000メートル戦(23日)に照準を合わせてきたのがスワッグチェーン(牡=田村)。父ロードカナロア、母メジャーエンブレムというG1馬同士の配合。来春の大舞台を意識する良血が、盛夏のみちのくで初陣に挑む。

 隔世遺伝。スワッグチェーンのきょうだいに共通するキーワードだ。母メジャーエンブレムは15年阪神JF、16年NHKマイルCとマイルG12勝。勝ち気な性格と豊かなスピードで、自ら風を切ってライバルを圧倒した。ただ、その産駒は対照的。初子のプレミアエンブレム、2番子ホーリーエンブレムも初勝利は2000メートルだった。祖母キャッチータイトルは現役時代の5勝全てが芝2000メートル以上。「この血統は母ではなく、おばあちゃんの色が濃く出ている。弟もやはり長いところの馬だと思う」。3代にわたって一族を管理してきた田村師は語る。

 3番子にして初の牡馬。普段からおぼっちゃんらしさ全開だ。「性格は凄くいい。姉2頭よりさらにおっとり。いじけることもないし、馬房で大の字になって寝たりする」と師は笑う。のんびり屋だが調教でコースに入れば動きはダイナミック。「跳びが大きくて奇麗。スタミナもある。切れるのではなく、早めに噴かしてビューンと伸びていくタイプ。でも坂路で走らせればピュッと小脚も使える」。実戦で武器となる要素をいくつも兼ね備える愛馬を高く評価する。

 馬体には成長の余地を残しており「もう少し腹周りがあっていい」と師。「ただ、カイバは食べているし、太くなるのではなく上に伸びていくタイプだろう」と分析する。初戦から距離を延ばして勝ち上がった姉2頭の経験から、弟は芝2000メートルでのデビューを選択。「将来的にはもっと距離が延びてもいいはず」。指揮官の言葉には、既に来春への期待がにじむ。まずは姉2頭を上回るデビュー勝ち。そして母が果たせなかったクラシック制覇へ。厩舎の、一族の思いを乗せて、初陣に臨む。

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2022年7月19日のニュース