【エプソムC】ノースブリッジ 重賞初制覇、岩田康「奥が深い馬」直線半ばから粘り切った

[ 2022年6月13日 05:15 ]

<東京11R・エプソムC>競り勝った岩田康騎乗のノースブリッジ=右手前(撮影・西川祐介)
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 東京メイン「第39回エプソムC」は12日行われ、4番人気ノースブリッジが好位から力強く抜け出し、4度目の重賞挑戦で初タイトルを獲得した。

 夏の熱い日差しが戻った東京競馬場。岩田康の闘魂が愛馬ノースブリッジに初の勲章を呼び込んだ。スタートはトーラスジェミニが速かった。1頭飛ばす展開。岩田康は離れた3番手で何とか我慢。直線半ばで早々と先頭に立ち、差し馬の末脚を懸命に封じた。
 9戦目の重賞初V。7度目の手綱の岩田康は「こんな僕に依頼してくれた関係者の方々に凄く感謝したいです」とまず笑顔。「向正面や3~4角で何とか我慢してくれたが…。直線の真ん中までは馬なり。グッとくる時に上に飛ぶような遊ぶ癖があって、他の馬を邪魔してしまったのですが、奥が深い馬だと思う」

 2歳冬の葉牡丹賞で無傷V2。当時はクラシック候補と呼ばれた逸材だった。奥村武師は「重賞でやれなきゃいけないと思っていたので。足りて良かった」と目を細めた。ともすればぶっ飛ばして逃げたのは昔話。指揮官は「最近は落ち着きが出て、人とのやりとりもできるようになった。大きな成長だと思う。きょうの感じだと1800メートルは忙しいので、2000メートルあたりがいいのかな」と分析した。鞍上は「長い直線を歯を食いしばって頑張ってくれた。堂々と次の路線に進める」と目を輝かせた。

 「表彰式で理事長(後藤正幸氏)からは天皇賞に行けば…」と、熱いエールが送られたことを明かした奥村武師だが、じっくり育てる方針。「今がいい時。暑い時季は我慢。天皇賞と決めつけず、馬に合わせていきます」と次なるステップを思案していた。

 ◆ノースブリッジ 父モーリス 母アメージングムーン(母の父アドマイヤムーン)18年1月24日生まれ 牡4歳 美浦・奥村武厩舎所属 馬主・井山登氏 生産者・北海道新冠町の村田牧場 戦績9戦5勝(重賞初制覇) 総獲得賞金1億423万6000円 馬名の由来は北+橋、人名より。

 【エプソムCアラカルト】

 ☆岩田康 エプソムCは13年クラレント以来、9年ぶり2勝目。JRA重賞は新潟大賞典(レッドガラン)に続いて今年5勝目、通算105勝目。

 ☆奥村武師 エプソムCは初出走初勝利。JRA重賞は21年フローラS(クールキャット)以来、通算3勝目。

 ☆血統 モーリス産駒は初出走初勝利。JRA重賞は金鯱賞(ジャックドール)に続いて今年2勝目、通算6勝目。 

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2022年6月13日のニュース