レッドディザイアの道 クロノジェネシス世界を驚かせる

[ 2021年9月24日 05:30 ]

 【競馬人生劇場・平松さとし】2019年の牝馬クラシック戦線。桜花賞(G1)を制したのはグランアレグリアでオークス(G1)を勝ったのはラヴズオンリーユーだった。

 現在も一線級で活躍する両頭だが、負けず劣らずトップクラスで輝きを放っているのが残る1冠の秋華賞(G1)勝ち馬であるクロノジェネシスだ。同馬は桜花賞が3着、オークスも3着。いずれも惜敗を繰り返したが、最後の1冠で見事に優勝してみせた。

 「春の雪辱を果たせて良かったです」

 当時そう語ったのは同馬を管理する斉藤崇史調教師。同師には過去にも似たような思い出があった。

 話は09年までさかのぼる。この年の牝馬クラシック戦線は1頭の名牝の誕生に沸いた。桜花賞とオークスをいずれも単勝1倍台で優勝したブエナビスタだ。この春の2冠で共に2着に敗れていたのがレッドディザイアだった。しかし、同馬は秋華賞でついに宿敵との関係を覆す。ブエナビスタを破り、最後の1冠を制してみせたのだ。

 このレッドディザイアは栗東・松永幹夫調教師が管理しており、当時、この厩舎で調教助手をしていたのが斉藤崇史現調教師だったのだ。ちなみにレッドディザイアは翌春、斉藤助手(当時)と共にドバイへ遠征する。当時タペタ(オールウェザー馬場)で行われたドバイワールドC(G1)の前哨戦であるアルマクトゥームチャレンジラウンド3(G2、現G1)に出走すると、直後にドバイワールドCを勝つグロリアデカンペオンやウオッカを退け、なんと優勝。世界中をアッと言わせた。

 さて、話をクロノジェネシスに戻そう。秋華賞を制した後の同馬の活躍は皆さんご存じの通り。牡馬を相手に宝塚記念(G1)を連覇、有馬記念(G1)も勝利した。そして、9日後の凱旋門賞(G1)制覇を目指し、24日に日本を発つ。宝塚記念優勝馬は凱旋門賞と相性が良いので、レッドディザイアのように世界へその名をとどろかすことを期待してカウントダウンしたい。 (フリーライター)

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2021年9月24日のニュース