【日本ダービー】ルークス“教訓”を生かし巻き返す

[ 2019年5月22日 05:30 ]

<日本ダービー>坂路で調整するサトノルークス(撮影・平嶋 理子)
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 【G1ドキュメント・栗東=21日】名門・池江厩舎から3頭がスタンバイ。11年オルフェーヴル以来となるダービー制覇を狙っている。甲乙つけがたい素質馬ぞろいながら、田村が目を付けたのはサトノルークス。17年セレクトセール2億7000万円(税抜き)の高額で取引された良血馬だ。午前11時頃、作業を終えて帰る間際だった中沢助手を直撃した。

 「普段、馬房の中ではおとなしいですけど、外に出ると子供っぽい“スイッチ”が入るんですよね。それでも、競馬を使うごとに少しずつ成長はしています。これからの伸びしろは大きいと思いますよ」

 3連勝で挑んだ皐月賞は後方のまま。見せ場なく14着に敗れた。「皐月賞は全く力を出し切れていなかった。前回より動ける態勢は整っているし、この馬の能力を発揮できれば」と巻き返しを図る。

 振り返れば3年前。中沢助手は担当していたサトノダイヤモンドと共にダービーに参戦。世代頂点の座へ、確かな手応えはあった。「レース当日は本当に状態が良かった」。しかし、不運なことに道中でまさかの落鉄。ゴール寸前まで続いたマカヒキとの競り合いは、わずか8センチの差に泣いた。「惜しかった…。あと一歩でした」と当時を振り返った。

 2番人気だったダイヤモンドと下馬評の高くないルークスは立場が違う。それでも3年前のダービーならではの極限の仕上げ、精神状態を味わった経験はきっと今回に生きる。それは、1年に18頭とその関係者しか得られない貴重なものだからだ。

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2019年5月22日のニュース