【大井・東京スプリント】Dr.コパ氏 菜七子にとって「名誉元年」キッキングとのG1制覇に期待
10日に交流重賞「第30回東京スプリント」(G3、大井ダート1200メートル)が行われ、コパノキッキング(セン4=村山)に騎乗する藤田菜七子(21)の重賞初制覇に大きな注目が集まる。風水の第一人者で同馬のオーナーであるDr.コパこと小林祥晃氏(71)が、スポニチ本紙の単独インタビューに応じ、年内は菜七子とキッキングのコンビを継続し、来年からは新たに武豊(50)を鞍上に迎えるプランに言及。また、菜七子に最も必要なのはG1、重賞ジョッキーの勲章とし、「名誉元年」の新元号を授けた。
――コパノキッキングと菜七子騎手で挑んだフェブラリーSを振り返って。
「勝った武豊さんよりも多くの報道陣に囲まれちゃったからね。豊さんも“(自分が)勝ったんだよね?”って笑っていたよ。それだけたくさんの方が菜七子とキッキングに興味を示してくれたということ。自分も一競馬ファンとして見たいレースだった」
――レース内容はどう評価しているか。
「彼女にとっては異常な状況だった。その中でこちらの指示通りに乗っていたし、5着には来てくれたからね。(4番人気で)断然の1番人気というわけではなかったので…」
――東京スプリントの勝算は。
「今回は最も得意としているワンターンの競馬になる。直線も長いし、キッキングの実力通りの競馬ができると思う。ただ、ヒロシゲゴールド、ホウショウナウ、キタサンミカヅキといい馬がたくさん出てきますからね。他の陣営も“菜七子に簡単に獲らせるか”となると思うので、簡単だとは思っていません」
――キタサンミカヅキのオーナーである北島三郎氏とは。
「僕は演歌が大好きなので昔から特別に仲が良い。コパノリッキーとキタサンブラックが同じヤナガワ牧場(北海道沙流郡日高町)の馬という縁もありましたしね。競馬の話はよくします。2頭とも同じ17年に引退したのですが、その時に北島さんが“寂しくなったなあ”と話されていました」
――そのコパノリッキーの子供が今年に入って続々と生まれている。実際に牧場に初年度産駒を見に行かれたとか?
「判官びいきじゃないけど、どれも本当に良い馬なんですよ。150頭くらい種付けしたんですけど、11、12頭は所有しようと思っている。京都競馬場の芝コースで行われたリッキーの引退式がずっと忘れられなくてね。(全33戦ダート戦に出走した)リッキーの走りを見て豊さんが“コパさん、この馬は芝馬ですよ”と言ったんですよ。母親もダートの馬が多いんですけど、どんな子が出てくるか楽しみで仕方ない」
――ところで、キッキングと菜七子のコンビはいつまでと考えているのか。
「とりあえずは年内まで、というところで。その後は豊さんに乗ってもらったらどうなるのか、という興味がある。私はコパノリッキーの時も田辺(裕信)君に“今年1年をよろしく”という話で依頼をした。早い段階でローテーションを考えて、どういうレースをジョッキーと組み立てるかというところを1年間のスパンで考えているので」
――武豊騎手とコパノキッキングのコンビも楽しみになる。
「キッキングは難しい馬なので、柔らかく乗ってくれるジョッキーが合う。これまでも豊さんが合うと思っていたけど、他の騎乗馬との兼ね合いもあってなかなか実現しなかった。そこで“(武豊の)次に柔らかく乗るのは誰だ?”と村山調教師に聞くと、“菜七子です”とのことだった。菜七子とキッキングのコンビ結成はそういういきさつもありました」
――それでは年内のローテーションは?
「東京スプリントの次は、(フェブラリーS優勝馬インティとの再戦となる)かしわ記念(交流G1・5月6日、船橋ダート1600メートル)。菜七子にどこかでG1を勝ってもらいたいと思っているので。今年のJBCスプリント(11月4日)は浦和競馬場開催なので、コーナーをたくさん回るのはキッキングにとって合わないんじゃないかと思っている」
――秋には米G1「BCスプリント」(11月2日)への遠征プランもあるが。
「ただ、サンタアニタ競馬場で馬の故障が続いた(=昨冬から計23頭もの現役馬が故障を発症して安楽死処分に)というニュースが気になっているんですよね。キッキングは元々、脚元が丈夫な馬じゃないので。まだ時間もあるし、そこら辺の状況も見て総合的に判断したい」
――自身の新元号は“楽しまなくっちゃ”という生き方から「楽楽」。菜七子騎手にマイ新元号を授けるとしたら?
「“名誉”です。彼女に必要なのは“G1ジョッキーになるんだぞ”という部分。勲章っていうのは人を変えますので。デビューから成長した面を見てきて何か一つ勲章を得てもらいたい。今年は彼女にとっての“名誉元年”ですね」
――今回の風水アドバイスは?
「何を言うかは直前になるけど、彼女の運気は2月から上がっている」
◆Dr.コパ(どくたー・こぱ、本名小林祥晃=こばやし・さちあき)1947年(昭22)5月5日生まれ、東京都世田谷区出身の71歳。日本大学理工学部建築学科卒。一級建築士、神職、愛知工業大学客員教授。Dr.コパとして風水・家相を用いた開運術の第一人者。01年に馬主資格を取得。本名の小林祥晃名義で「コパノ」「ラブミー」などの冠名の競走馬を所有。史上最多となるJRA&地方交流G111勝を挙げたコパノリッキーなどG1ホースのオーナーで、同馬で14、15年のフェブラリーSを連覇。
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