菜七子、1キロ減70戦目で初勝利!得意名古屋で会心騎乗

[ 2019年1月18日 05:30 ]

エコロシンフォニーで検量室に引き上げてくる藤田菜七子
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 藤田菜七子(21)が待望の19年初勝利と、☆(負担重量の1キロ減)になって70戦目で初勝利を挙げた。17日、名古屋競馬場で行われた3歳交流競走「名古屋チャレンジカップ アップル賞」で、菜七子騎乗の3番人気エコロシンフォニー(牝=根本)が鋭く抜け出して優勝。16年9月21日に1日3勝をマークした相性のいい名古屋で、うれしい“ダブル初勝利”を決めた。

 久しぶりの菜七子スマイルが名古屋の検量室前で広がった。大喜びの師匠・根本師はコースに出て記念撮影だ。自厩舎で常に接しているエコロシンフォニーと挙げた19年28戦目での初勝利。

 「素直に初勝利はうれしいです。名古屋は前回来た時も勝てて相性のいい競馬場だったので」

 今年初めて地方で騎乗した菜七子は待望のVに頬を緩めた。

 この日は10R「アップル賞」の1鞍入魂。最内枠から飛び出すと、外の馬を行かせて好位に収まった。「道中は人気の馬をずっと見ようと思っていた」。勝負どころをうかがい、直線はスムーズに外へ。「前の馬の手応えがなくなって引っ張る場面もあったけど、前が空いてからはスパッと切れてくれました」。上がり3F最速の末脚を引き出し、中央の柴山との叩き合いを1馬身制してみせた。

 昨年12月2日に通算51勝目(地方交流競走4勝含む)を挙げ、減量は2キロ減の△から1キロ減の☆に。重量が1キロ違えば1馬身、0秒2差違うとも言われる中、その後は厳しいレースが続いた。1キロ減で騎乗した12月4日の大井で14着に終わり、中央では12月8日から68連敗。年明けは27戦して8着が最高と掲示板すら遠かった。ふさぎ込むような菜七子の表情に、師も気をもんでいた。「騎手は負のスパイラルに陥ることがある。馬の絶対能力というものがある中で“私は何をどうすればいいんだろう”とめげてしまう」。先週、自厩舎で膝をつき合わせた際に「そういう時は掲示板を狙ったり、一つでも上の着順を狙うしかない。その繰り返しで勝てる時がくる」。元G1騎手として苦しむ愛弟子に心構えを説いた。

 くしくも、19年初勝利は師が手掛ける馬がプレゼント。「今日はいいきっかけになったんじゃないかな。名古屋まで来たかいがあった」と師。菜七子も「とりあえずはよかったけど、これからもっと中央でも勝っていきたい」と言葉に力がこもってきた。3月からは女性騎手減量の新ルールが適用開始となるが、☆マークの1、2月が真価を問われる勝負どころ。師弟の絆でつかんだ勝利を反撃のきっかけにする。

 ≪地方で2度目の1キロ減≫地方では開催場によって減量の規定が異なり、菜七子が昨年12月2日以降、地方で1キロ減で騎乗したのは12月4日の大井10R(タマモオテンバ=14着)以来2度目。なお同11日には佐賀で2キロ減で3鞍に騎乗し、1勝を挙げている。

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