「地道に努力」焦らず成長した松岡正海という男

[ 2019年1月18日 05:30 ]

ウインブライトで中山金杯を制した松岡
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 【競馬人生劇場・平松さとし】今年最初の関東の重賞、中山金杯を制したのはウインブライト。同馬にとってはこれが4つ目の重賞制覇となったが、その鞍上は全て松岡正海騎手だった。

 1984年7月生まれで現在34歳の松岡騎手。03年デビューで今年が17年目の中堅ジョッキーだ。競馬とは無縁の家庭で育ったが「小学2年生の時にはジョッキーになりたいと思った」。しかし、実際、本格的に馬にまたがったのは競馬学校に入学してから。本人いわく「生徒の中でも誰よりも下手だった」そうだ。デビュー戦でも何もできないまま終わり、ショックを受けたという。

 そんな時に助けてくれたのが師匠の故前田禎調教師だった。「そんな日もある。大切なのはどんな時も地に足を着けて地道に努力をすること」。そう言うと、焦る必要はないと続けたそうだ。そんなアドバイスのおかげもあり、デビュー年に11だった勝ち鞍は3年目には49までジャンプアップ。4、5年目の06、07年には単身アイルランドへ飛び武者修行もした。

 その07年にコイウタでヴィクトリアマイルを制しG1初制覇をマークすると、09年にはマイネルキッツで春の天皇賞を優勝。いずれも12番人気という伏兵を操り大舞台での金的を射止めてみせた。

 そんな松岡騎手の趣味は野球。その腕前はなかなかで、美浦のジョッキーチームでは不動のエースだ。デビューした当初は私の持つ野球チームにも在籍していただき、月曜日に一緒に楽しんだものだが、さすがに現在は本業が忙しくなり参加してもらえなくなった。またいつか一緒に楽しみたいものである。

 閑話休題。松岡騎手は金杯を制した翌日の開催で不運なことにケガを負い、現在は休養を余儀なくされている。元気な姿で戻って来て、また活躍してくれることを願おう。(フリーライター・平松さとし)

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2019年1月18日のニュース