菜七子×候補生 華麗なでしこ3人併せ 研修でプロの技魅せた

[ 2019年1月10日 05:30 ]

藤田菜七子(中央)との追い切りを終え笑顔を見せる競馬学校騎手課程の永島まなみ候補生(左)と古川奈穂候補生(撮影・村上 大輔)
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 なでしこライダーが艶やかに新春競演!!JRA唯一の現役女性騎手・藤田菜七子(21)と、美浦トレセンで短期研修中のJRA競馬学校騎手課程37期生の古川奈穂(18)、永島まなみ(16)両候補生の共同調教が9日、ポリトラックコースで実現。女性ライダーによる豪華3頭併せでトレセンが華やかなムードに包まれた。

 普段は見ることができない“姉御肌”を発揮した。菜七子が緊張気味の女性騎手候補生2人を積極的にリード。「2人は分からないことを聞いてくれたし、私も気付いたことがあればいろいろと教えてあげました」。日頃から「目標にされる騎手になりたい」と理想像を語る菜七子。目を輝かせて指導を受ける後輩にアドバイスを送り、背中で引っ張った。

 永島候補生は根本厩舎、ケガから復帰した古川候補生は青木厩舎で短期研修。2人の厩舎は異なるが「女性騎手としてやっていくために何が必要か分かってくれれば」と菜七子の師匠・根本師が粋な企画を発案。女性ライダーによる華やかな3頭併せが実現した。菜七子が騎乗したペシュジェイド(牝3)が先行、古川候補生がまたがったギブリ(牝3)、永島候補生騎乗のブラックルシアン(牡3)の順。4コーナーで3頭が横並び。ブラックルシアンが直線入り口から一気に突き抜け、ギブリが続く。どちらも制御が利かず持っていかれる形。菜七子は必死に手綱を抑える後輩を最後方から温かい目で見守った。

 稽古を終えると元騎手の蓑田早人JRA競馬学校教官が身ぶり手ぶりで指導。3人は熱弁に耳を傾けた。菜七子は「(女性2人と)併せ馬をすることができて凄く良かった。初心に帰った気持ち。教えられることがあれば、どんどん教えたい」。頼りがいがある先輩の一面をのぞかせると、少し照れくさそうに笑った。

 16年ぶりのJRA女性騎手としてスポットライトを浴びた菜七子。競馬学校では厳しい訓練に耐えた。「3年間はつらかったけど“絶対ジョッキーになりたい”と思って入ったので頑張れた」。当時は女性ならではの不安や悩みも抱えた。なでしこ候補生2人は同じ境遇。共感できる唯一の存在として、優しい手を差し伸べることで道しるべになろうとしている。

 候補生2人は順調なら21年にデビュー予定。新減量制度により4キロ減で初陣を迎え、JRA女性騎手最多勝利記録(47勝)を更新し続ける菜七子を追い掛ける。2年後、女性ジョッキーがターフで競演する時代が再びやって来る。

 ≪夏まで基礎課程≫JRA競馬学校騎手課程生徒は4月入学後、約1年半、基礎課程を履修。1年目の37期生は今回、短期研修(8〜13日)で美浦に来場した。基礎課程を終えると約1年間、トレセンの厩舎に配属され、調教師の指導を受け実戦的な調教技術を磨くことになる。ラスト半年間は10回近くの模擬レースを戦いより実戦的な騎乗テクニックを身につけていく。

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