【福島8R】自身初!菜七子 後方一気で開催4日連続勝利

[ 2018年11月18日 05:30 ]

福島8Rで1番人気アシェットをVに導いた藤田菜七子(右から3人目)
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 藤田菜七子(21)が17日、福島8R(芝1800メートル)で単勝3・1倍の1番人気アシェット(牝3=高橋文)に騎乗し、後方待機策から差し切り勝ち。自身初となる開催4日連続勝利で、今年のJRA25勝目、通算45勝目を挙げた。16日付スポニチ本紙既報通り、JRAが来年3月から女性騎手限定の新たな減量特典ルールを導入することで、「時の人」となった同騎手だが、いつも通りに冷静かつ高い集中力を持って一鞍一鞍に騎乗した。

 菜七子は菜七子だった。周囲の喧騒(けんそう)をよそに、「時の人」は出遅れても冷静沈着。堂々の騎乗で、1番人気に応えた。

 「前で競馬するつもりだったけど、スタートでタイミング良く出られなかった。結果的にペースが流れて、最後はちょうどいいコースが空いてくれた」

 初コンビとなるアシェット。道中は後方3番手に控えて、3角すぎから徐々に進出。直線で馬群の真ん中に空いたスペースを見つけると、アクセル全開。上がり最速34秒2の末脚で突き抜けた。

 「調教では遅れてしまったが、いい馬だと感じていた。素軽い走りをするし、福島も合いそう」と稽古で手応えをつかんでいた。「3コーナーの反応はイマイチだったけど、エンジンが掛かってからいい脚を使ってくれましたね」と笑顔で振り返った。

 3週連続勝利に加え、自身初の開催4日連続勝利。福島開幕週の4日の1Rは単勝1・3倍の断然人気馬を優勝に導き、先週の土、日曜日で挙げた3勝は逃げ、好位抜け出し、後方一気。勝ちパターンの引き出しが増えた。

 これで通算49勝(JRA45勝+JRA指定地方交流競走4勝)。6月17日に通算31勝に到達し、減量特典が▲3キロから△2キロとなった。今度はあと2勝を挙げて51勝となれば、△2キロから☆1キロとなる。

 その中で、JRAは来年3月から女性に限り、減量特典を大幅に緩和する新規定を導入。現行ルールなら51〜100勝の間は☆1キロとなるところが、再びデビュー時の▲3キロ減で騎乗できることになる。競馬関係者、ファンの間でも賛否両論が巻き起こっているが、菜七子を筆頭に女性騎手にとって有利になることは間違いない。現在は菜七子がJRA唯一の現役女性ジョッキーということで、今回の改革が「菜七子ルール」とも称されるゆえんだ。

 JRAの正式発表が20日ということもあり、菜七子はこの日「すみません。そのことについてはコメントできません」と言及を避けた。これまでも「騎手になりたかったのであって、女性騎手になりたかったわけではない」と話してきただけに、規定が変わっても、その志は変わらない。

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2018年11月18日のニュース