【神戸新聞杯】ダービー馬の貫禄勝ち!ワグネリアン エポカ一蹴 いざ秋天へ

[ 2018年9月24日 05:30 ]

<神戸新聞杯>ダービー馬の貫禄を見せつけ勝利したワグネリアン(中)(撮影・平嶋 理子)
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 東西でダービー馬と皐月賞馬が雌雄を決した。23日、阪神競馬場で行われた菊花賞TR「第66回神戸新聞杯」では18年ぶりの対決。今年のダービー馬ワグネリアンが快勝した。一方、61年ぶりに実現した中山の「第64回オールカマー」は、昨年のダービー馬レイデオロが1年ぶりの復活V。両馬は天皇賞・秋(10月28日、東京)で激突の可能性もある。なお、異なる世代のダービー馬による同日重賞制覇は史上初めてだった。

 絶対に抜く!絶対に抜かせない!!人馬の気迫が勝利を呼んだ。ダービー馬ワグネリアンは、福永祐一の落馬負傷(16日阪神6R、頭蓋骨骨折、気脳症と診断)により急きょ、稽古役の藤岡康太が“代打”騎乗。「水曜に電話でアドバイスを頂いた。プレッシャーはありましたが、気持ちの面は楽な部分がありました」。小細工なしにパートナーの能力を信じて、最後まで必死に手綱をしごいた。

 皐月賞馬エポカドーロがスタートでつまずく波乱の幕開け。その隙にメイショウテッコンが馬なりでハナを奪い前半5F1分1秒9。ゆったりとした流れを後方4番手で追走する。「折り合い面だけ気をつけました」。前優位の馬場でも焦らず、福永の指南と調教でつかんでいる感覚を貫いた。レースが動いたのは3角手前。内のゴーフォザサミットがスパートをかけると、外から併せるようにジワッと加速。馬場の真ん中に持ち出し、左ムチ一発で馬体を沈ませエンジン点火。逃げ粘るメイショウテッコンをラスト50メートルで抜き去り、外を追い上げた僚馬エタリオウを半馬身差退けた。大役を果たした鞍上は安どの表情で振り返る。

 「春先に比べ精神、肉体が大きく成長していた。道中は少し行きたがり、決してうまく乗れませんでしたが、最後は“ダービー馬の根性”を見せてくれました」

 自身にとっても6982戦目で決めた、JRA通算500勝のメモリアルV。普段の調教を怠らず、馬乗りに対して実直に取り組んできた努力が、最高の結果につながった。

 今後の路線を決める大事な前哨戦で最高のスタートを切った。今後は予定通り、主戦の福永に手を戻し天皇賞・秋へ。友道師は「春に比べて落ち着きがあったし、体も成長(10キロ増)していた。走り的にも東京2000メートルは合っていると思うし楽しみです」と、さらなる飛躍を誓った。84年のグレード制導入後、これまでダービーを勝った3歳馬は、秋の盾を手にしたことがない。主戦不在の逆境をはねのけた真のダービー馬。ワグネリアンの挑戦は、まだ始まったばかりだ。

 ◆ワグネリアン 父ディープインパクト 母ミスアンコール(母の父キングカメハメハ)牡3歳 栗東・友道厩舎所属 馬主・金子真人ホールディングス 生産者・北海道安平町ノーザンファーム 戦績7戦5勝 総獲得賞金3億6085万5000円。

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