丸山、最終兵器!12Rに強い男は元気いっぱい 今年で9勝

[ 2018年9月11日 05:30 ]

丸山と同じく根本厩舎所属の藤田とともにさらなる飛躍を誓う
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 最終12Rにめっぽう強い男がいる。「元気」と「輝き」を取り戻している丸山元気(27、美浦=根本)だ。10日現在、43勝を挙げ関東リーディング8位にランクイン。中でも最多9勝を挙げている最終12Rは絶好の狙い頃だ。デビュ―2年目(10年)92勝、3年目(11年)72勝を挙げ、関東の若手ホープとして期待された27歳。ジョッキー生活10年目に復調の兆しを見せている“最終兵器”から秋競馬も目が離せない。

 今年の丸山はひと味違う。昨年を上回る43勝を挙げ単勝回収率153%(10日現在)を誇る。買い続ければ確実にもうかるジョッキーだ。そのうち最多9勝を挙げているのが最終12R。4月は4週連続最終レースV。先週土曜(8日)中山でも7番人気カリンバを1着に持ってきた。

 オーラスに強いのは決して偶然ではない。丸山は「ジョッキー心理として今日も一日、無事に終わってくれと思うでしょ?みんな早く帰りたいから。だからこそ“よし、一発狙ってやろう!!”と思っている」とニヤリ。最終12Rは一日の疲労が蓄積し集中力が低下しがち。他馬の騎手のパフォーマンスが落ちればVチャンスが広がる。そこでモチベーションをグッと高めるのだ。2、3年目は勢いで白星を量産したが、10年目は騎手心理を読み切るすべを身に付けた。

 5月の時点で昨年の勝ち星を上回る活躍ぶり。JRA女性騎手の最多勝利記録を更新し続ける藤田菜七子の兄弟子は「全て菜七子さんのおかげで絶好調ですよ」とちゃめっ気たっぷりのリップサービスを忘れない。笑いを誘いながら復調の理由をこう語る。

 「2、3年目にいい時期があり、それと比べると近年は成績が物足りない。それが本来の自分だとも思っていた。だけど、あの頃に近づきたい気持ちをずっと持っていた。(騎手生活10年目で)ずっと同じことをやっていても駄目だと気がついた」

 5月23日から3週間、栗東に滞在。“出稽古”で心身共に鍛え直した。目標騎手として尊敬するG123勝の池添謙一が美浦に遠征する姿を見て一念発起。「関東と関西の違いがよく分かった。栗東トレセンの逍遥(しょうよう)馬道(坂路へ向かう道)が馬に負荷を掛けることも勉強になった」。貪欲に調教にまたがり関西馬の強さを体感。環境を変えて腕を磨いた。

 伸び悩む27歳の闘争心に火を付けたのが松山弘平だ。17年皐月賞をアルアインで制した同期のライバルは今年重賞2勝。勝ち星も61勝を挙げ丸山をリードする。「僕より勝ってるしやっぱり気になる。そりゃ同期に負けたくない気持ちは常に持っていますよ」。重賞Vは11年新潟大賞典をセイクリッドバレーで制した丸山が先。追い越された同期の活躍がカンフル剤になっている。

 騎手生活10年目はメンタル面の成長が好成績に結びつく。「前半戦の流れが良かったし今はうまくいっている。流れが一番ですから」。勝負事に欠かせない流れが傾きつつある丸山。メインレース終了後の最終12R。“終わりよければ全てよし”を体現する27歳に乗れば、競馬ファンの懐はもっと元気になる。

 ◆丸山 元気(まるやま・げんき)1990年(平2)10月3日生まれ、群馬県出身の27歳。所属は美浦・根本厩舎。父・侯彦さんは北関東の元トップ騎手。09年3月1日、ヤマタケディガーで初騎乗。同7月11日、オンザスローンで初勝利。JRA通算6111戦428勝(重賞3勝)。1メートル66、51キロ。血液型A。

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