【京成杯AH】グローリー“風よけ”V!ルメール土日重賞制覇とW歓喜

[ 2018年9月10日 05:30 ]

<京成杯AH>外強襲でレースを制したミッキーグローリー(撮影・村上 大輔)
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 中山競馬場の周囲に林立する桜の木が強風に揺れている。南南西、風速10メートル。向正面では激しい向かい風になって競走馬のスタミナを奪い去る見えない敵に、ルメールは他馬を風よけに使ってやり過ごした。「土曜(紫苑S優勝ノームコア)と同じ“競輪乗り”です。大きな馬の番手で風をよけて消耗を防ぎました」。ミッキーグローリーで土日重賞制覇を飾ったルメールは満面に笑みを浮かべた。

 向正面10番手、ヒーズインラブの真後ろで折り合うと、風向きが斜めに変わる3角で外へ持ち出してスパート。550キロの黒い巨体が直線の急坂を突進する。息の長い末脚でワントゥワンの猛追を3/4馬身抑えての重賞初挑戦Vだ。「マイルはぴったり。前回乗った時(5月の準オープン3着)は休み明けで体が緩かったが、今回はバランスが良くなっていた。大きな馬で小脚は使えないけど、背中がいい。広いコースならもっと走れます」とルメールは続けた。

 「(ルメールが快勝した)9Rと同じように乗って勝て!と指示したんだ。その通りの結果を出してくれた」と国枝師は笑う。屈腱炎を乗り越え、準オープンから連勝で重賞制覇を飾った。この5戦で4勝の快進撃。3歳4月に2勝目を挙げた後、1年5カ月の長期休養に入ったが、辛抱強く回復を待ったかいがあった。「焦らずゆっくりやってきた。弟(今年のNZT優勝のカツジ)が先に重賞を獲って、賢弟愚兄なんて言われたけど、待てば海路の日和ありだな」。次の目標はマイルCS(11月18日、京都)。充実の5歳秋を迎えた青鹿毛のタテガミが強風にたなびく。G1海路へ船出するウイナーズサークルに吹いた祝福の風。

 ◆ミッキーグローリー 父ディープインパクト 母メリッサ(母の父ホワイトマズル)牡5歳 美浦・国枝厩舎所属 馬主・野田みづき氏 生産者・北海道新ひだか町の岡田スタツド 戦績11戦6勝 総獲得賞金9918万円。

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