【ヴィクトリアM】リス、極上の伸び 復帰の武豊と態勢万全

[ 2018年5月10日 05:30 ]

坂路で併せ馬で追い切りするリスグラシュー(左)、エンパイアガール(右)
Photo By 提供写真

 「第13回ヴィクトリアマイル」(13日、東京)の追い切りが9日、東西トレセンで行われた。栗東では悲願のG1初制覇を目指すリスグラシューが坂路で極上の伸びで先着。パワーアップを印象付けて、盤石の態勢だ。

 悲願のタイトルへ、万全仕上げだ。朝一番の坂路に登場したリスグラシューはエンパイアガール(4歳500万)の3馬身後方を追走。「折り合いを重視して」と矢作師。激しい気性を僚馬の後ろでコントロール。ラスト1F手前から外に持ち出すと、馬体を沈ませ一気に加速。水分を含んだ重馬場を全く苦にせずリズミカルかつ、パワフルに4F54秒4〜1F12秒2。馬なりのまま半馬身突き放した。稽古を見守ったトレーナーは納得の表情だ。

 「ここ目標に予定通り。時計も指示した通りで動きも良かった。いい状態で送り出せると思う」

 昨年の牝馬3冠全てで上位争い。G1・2着3回(阪神JF、桜花賞、秋華賞)の実績通り、戴冠まであと一歩のところまで迫った。前哨戦の阪神牝馬Sは超スローペースに苦しみながらも追い上げて頭+首差の3着。もう一完歩あればかわせそうな勢いだった。

 「トライアルとしての位置付けで、最後まで自分のスタイルを貫いた。この馬が一番強い競馬をしたと思っている。結果以外は満足しているし、悲観はしていない」

 スピードだけでは押し切れない東京マイル。指揮官は気性を前面に押し出した直線の“爆発力”に勝機を見いだしている。自信が確信に変わったのは当舞台の2月東京新聞杯。同期の2歳王者サトノアレスなど、屈強な牡馬相手に差し切り勝ち。「抜け出せなかったのがこれまでの敗因。それが馬群をさばいて、スパッと切れたからね」。トレーナーの思い描く完成形に近づいている。

 「あとはゲート。練習では問題ないが、レースは分からないところがある。ただ乗るのは“天才”だから」と指揮官。鞍上・武豊は1週前追いで手応えをつかんでいる。「昨年よりパワーアップしているし、一番勝つチャンスのあるレース」。共に挑んだクラシックの雪辱と、騎乗停止明けでの大暴れを誓う。爆発力と名手のエスコートで、府中の長い直線をVロードに変えてみせる。

続きを表示

2018年5月10日のニュース