柳原、福井登録初の首席クイーン!ラスト直線伸びて爆発

[ 2018年3月24日 05:30 ]

胴上げされる柳原真緒
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 日本競輪学校の男子113回生(68人)と女子114回生(第7期生、21人)の卒業記念レース決勝戦が23日、伊東競輪場で行われた。女子は在校成績1位の柳原真緒(20=福井)が優勝。福井登録初の卒記クイーンに輝いた。男子は在校成績5位の藤根俊貴(23=岩手)が優勝。67期の佐々木一昭(引退)以来となる岩手登録の卒記チャンプの座に就いた。男子、女子ともに24日、卒業式を行い、5月1日に選手登録。7月に各地でプロデビューする。

 No・1は譲らない。在校トップの柳原が卒記クイーンの栄冠も手にした。苦楽を共にした同期の祝福で20回、宙を舞ったヒロインは「年の数(20歳)だけ胴上げされてうれしかった」と満開の笑顔を見せた。

 大一番はライバルたちの包囲網に苦しんだ。終始インに詰まり車を外に持ち出せない。自慢の機動力を封じられる展開になったが慌てなかった。「最終4コーナーまで我慢するレースはしたことがなかったけど、最後に全てを出し切ろうと。優勝だけを狙って思い切り踏み込んだ」。ためにため込んだパワーがラストの直線で爆発。弓から放たれた矢のごとく外を伸びてVゴールを駆け抜けた。

 中学から陸上競技に励んだ。敦賀高ではやり投げに青春をささげ、五輪を目指したが「体格的に小さい」ことがネックで自転車に転向。タイトルホルダーの市田佳寿浩(76期)に師事し、自転車競技を始めて1年余で競輪学校に合格した。応援に駆けつけた師匠は「真緒はアスリートで心構えを教えることはなかった。実力さえ出し切れば強くなると思った」。卒記女王にまで上り詰めた愛弟子の成長に目を細めた。

 一度は諦めたが、自転車が五輪の夢をつなげる。「東京五輪を目指したい。五輪で金メダルを獲りたい」と言葉に力を込める。「ファンの方に“柳原は凄い”と言ってもらえるような、ダッシュを生かしたレースをして3年後のガールズグランプリを優勝します!!」。自転車と出合い、才能が開花した20歳は無限の可能性に胸を躍らせた。 (小野 祐一)

 ◆柳原 真緒(やなぎはら・まお)1997年(平9)5月18日生まれ、福井県福井市出身の20歳。敦賀高卒。在校成績は66戦39勝、2着9回で第1位。1メートル64、61キロ。血液型A。

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