【高松宮記念】“香港の刺客”ブリザード強気、大荒れ予走

[ 2018年3月23日 05:30 ]

芝コースで追い切られたブリザード
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 春のG1開幕戦「第48回高松宮記念」の木曜追いが中京競馬場などで行われた。冷たい雨が降り続ける中、同競馬場で追い切られたのは香港から参戦のブリザード。流し気味の“楽走”で打ち上げ、気配が読みづらいがチームは強気だ。低気圧の発達で関東甲信越、東北地方は大荒れ。彼岸を迎えて降雪を見る異常気象が高松宮記念での大波乱を予感させる。この日出走馬が決まり、注目の枠順は23日に確定する。

 春の桶狭間を季節外れのブリザード(暴風雪)が襲撃か?!

 実は荒々しい馬名に反して香港のブリザードは雨がからきし苦手のようだ。芝コースで行われた最終追い切りは不良馬場を嫌って明らかに手加減された。入念なスクーリングの後、雨の降る本馬場にウォン助手を背に乗りだし早々と加速したが、一向にスピードアップしない。鞍上は終始手綱を引っ張り切りで、ほとんど“楽走”のまま、ラスト1Fも14秒8でゴールを駆け抜けた。

 4F55秒8はスプリンターズS出走時(同50秒2〜1F11秒6)と比較してもかなり遅い。その理由を笑顔で説明したのは指揮官のP・イウだ。

 「今朝は600メートルの短いところをスッと出して行くように指示。実質的な追い切りは来日前に香港で済ませているから問題ない。ハッピーな状態でいることを最優先している。輸送も問題なかったし、馬は(日本を)楽しんでいるようだ」

 イウ師は10年のスプリンターズSを10番人気の伏兵ウルトラファンタジーで制した腕利き。レースのレベルを熟知しての再来日だ。

 ブリザードは昨年のスプリンターズS12番人気だったが、出遅れながら猛然と追い上げ0秒2差5着。スタートミスがなければ、間違いなく勝ち負けだった。

 「スプリンターズSは不運に尽きる。今回はゲートで集中できるようにブリンカーも着用する。コースが替わるが、直線が長くなるのはこの馬にはいい。左回りがどうかと言われるが、助手は左回りでも正しい手前で回っていると。問題ない」

 強気一辺倒のイウ師だが気になるのは馬場状態。

 「心配があるとすれば馬場かな。それも雨は今日まで。レースまでは降らないようだから。あとはどこまで回復してくれるか」

 共同会見後、すぐに雲間から青空が顔をのぞかせ、チームの表情が明るくなった。馬場は急ピッチで乾く。最後にライバルを聞かれたイウ師。「それは(スプリンターズSの)優勝馬のレッドファルクス。ぜひ今回は逆転したい」と、最後まで熱かった。

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2018年3月23日のニュース