ユタカの金言「全ての競馬がつながっている」

[ 2018年3月23日 05:30 ]

武豊
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 今週金曜日から平松さとし氏(53)の「ザ・キーマン」に替わり、新コラム「競馬人生劇場」がスタート。競馬界の裏側まで知る同氏だからこそ知る、さまざまな競馬人の話をお届けします。初回は現役騎手でありながら、すでに“レジェンド”ともなった武豊(49)の眼力による進言です。

 今週末の高松宮記念は3月の最終日曜日に行われるのが慣例となっている。一方、海の向こうドバイで行われるドバイワールドカップデーは同じく3月の最終土曜日。当然、同じ週に施行されることが多くなり、今年もそれぞれが慣例通りに行われるのだが、カレンダーのいたずらで1週ズレることになった。

 これにより3年ぶりに高松宮記念に騎乗できるのが武豊だ。毎年のようにドバイでも騎乗馬のある同騎手にとって高松宮記念は数あるG1の中でも騎乗機会の少ないレース。96年に同競走が現在の条件に変更されてから22回行われてきたが、騎乗したのは7回。日本のNo・1ジョッキーとしては少ない騎乗数だ。もっとも、そんな中でも05、07年と2度、優勝しているのだから“さすが”である。

 05年はアドマイヤマックス、07年はスズカフェニックスで制したが、特に2度目の制覇後に話を伺った際は感服させられた。スズカフェニックスはそれまでマイル以上の距離を中心に使われていた。芝の1200メートル戦に出走するのは高松宮記念が初めてだった。この路線を進むように進言したのが何を隠そう武豊だったのだ。

 「同じ橋田厩舎のアドマイヤマックスで勝たせてもらっていたけど、あの馬もサンデーサイレンス産駒。イメージ的にかぶる感じがあったので、先生に“合いそうです”と話させていただきました」

 そうして実際にしっかりと勝つのだから格好良い。天才ジョッキーは続けて言った。「競馬は常につながりが大切です。このケースのような“あの馬がどうだからこの馬はこう”という推測や“あの時はこうだったから今回はこう”という判断で勝てたレースはたくさんあります。ある意味、全ての競馬がつながっていると言っても過言ではありません」

 後にこれと似たようなセリフをドバイでも耳にするのだが、それはまた次週にでも紹介させていただこう。(フリーライター)

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2018年3月23日のニュース